スーパーのベイシアが需要予測システムを刷新した。発注自動化と業務改革で在庫を1割近く減らした。店員は浮いた時間を接客など付加価値の高い仕事に振り向ける。

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 「新システムを使い始めて1カ月でバックヤードの在庫が大きく減った。今度こそ自動発注の仕組みが根付くと実感した」。ベイシア西部モール店(群馬県伊勢崎市)の藤山丈典店長は、同社が需要予測システムを刷新した成果をこう話す。

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表 ベイシアの基本情報
巨大流通グループの一角を占める
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 北関東を地盤に約140店舗のスーパーを展開するベイシアは2019年2月、需要予測システムを全面刷新した。狙いは「需要予測システムを真ん中に置いて、業務プロセスを組み立て直す」(ベイシアの重田憲司執行役員)ことにあった。

 新システムは店舗や商品ごとの需要を予測し、発注量を自動で調整する。新システムによってこれまで6割にとどまっていた自動発注率を85%(生鮮やアウター衣料を除く)にまで高め「店舗での発注は基本的にしない」(重田執行役員)前提で業務を再構築した。店員は発注作業の自動化によって浮いた時間を接客など付加価値の高い仕事に振り向ける。

 ベイシアは2010年ごろに、国内の大手IT企業の技術を使った需要予測システムを導入し始めた。同システムを活用して店舗の発注業務の手間を減らそうと試行錯誤を重ねたにもかかわらず、自動発注率を思うように高められずにいた。

 理由は需要予測の精度を十分に高めきれなかったことにある。従来の技術が製造業向けだったこともあり、値下げによる需要の変化などを捉えきれなかった。

 自動発注の仕組みを店舗に根付かせられなかったことも響いた。「小売業にとって需要予測や自動発注の仕組みはごく当たり前。きちんと運用するのが最も重要だがいまひとつだった」(重田執行役員)。

 自動発注率が6割ほどにとどまった結果、店員は発注業務に時間を割かざるを得なかった。店員の勘と経験に頼った発注を続けたことで、発注に関する知見やノウハウを他の店舗に横展開しづらかった。

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