飲食店の口コミサイトを運営するRettyは人事業務にITを駆使している。1000人規模の新卒採用から社員のメンタルヘルス対策までを効率化し、わずか3人で急成長する会社を支える。

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 飲食店の口コミサイト「Retty」を運営するRetty(東京都港区)。2010年の創業以来、顔の見えるレビュアーによるお店の紹介などでレビューの信頼性を担保し、月間利用者数が2015~17年の2年間に3倍に増えるなど急成長している。正社員は100人を突破した。

 一方、人事部門はアシスタントを含めわずか3人。一度の募集で応募者が1000人に達する新卒採用のほか、中途採用や社内向けの人事業務を含む全てを切り盛りする。「会社が成長フェーズにある今、増員するなら間接部門よりも現場を担うエンジニアなどを優先したい」(人事担当の柳川裕美氏)として、人事の増員は考えていない。

(出所:Retty)
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プロフィールも自動入力

 人事部門を支えるのが組織の人材活用を支援するITサービス「HRテック」だ。ITの力を借りて採用や社員の体調の管理、煩雑な事務作業まで人事業務を効率化。3人は人間でないと対応できない業務に集中する。

 最も力を注ぐのが採用業務の効率化だ。採用関連の情報とプロセスを一元管理するシステムを活用し、3人で1000人の応募者に対応する。同システムは応募者の氏名や略歴といったプロフィール情報の管理、面接日程の調整、採用プロセスの進捗管理、面接結果の登録といった機能を備える。ビズリーチの採用業務支援のクラウドサービス「HRMOS採用管理」を使って構築した。

図 「HRMOS採用管理」による、Rettyの採用業務の流れ
進捗管理とワークフローを駆使
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 2016年に採用管理システムを稼働させて以来、Rettyは面接を担当する各部署の管理職など全社員の約7割にアカウントを配布し、進捗管理やワークフローを活用する。面接の際は各部署の面接担当者にワークフローを回し、面接担当者は終了後にコメントを記入して人事にワークフローを戻す。応募者とのメールのやり取りも同システム経由としている。これにより個々の応募者が採用プロセスのどの段階まで進んでいるか一目瞭然だ。

進捗管理の画面例(画像提供:ビズリーチ)
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応募者とのやり取りの記録画面例(画像提供:ビズリーチ)
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 人材会社が紹介した応募者の場合は、プロフィール情報が人材会社から採用管理システムに自動入力される。人事の採用業務は面接スケジュールの調整など最小限で済む。面接当日も面接担当者が応募者のレジュメを閲覧し、本社で応募者を直接出迎えて面接する。「人事は当日の立ち会いすら不要にできた」(柳川氏)。

Retty人事担当の柳川裕美氏

 柳川氏がRettyに入社した2015年ごろは、応募者の情報をスプレッドシートで管理していた。採用関連データの入力は手作業で、進捗があればそのつど書き換える手間がかかっていた。

 採用管理システムを導入した2016年以降、2年間で50人の社員を中途採用した。ほぼ2週間に1人の割合だ。入社に至らなかった応募者を含めれば面接した人数はさらに多い。2017年度に初めて新卒採用を大規模に実施した際の応募者は約1000人。それも3人の人事担当者で乗り切った。

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