昭和大学病院がアジアで初めて「デジタルICU(集中治療室)」を導入した。AIやIoTを駆使して複数病院のICUを後方から支え、治療を手助けする。現場のヒヤリハットを未然に防ぐといった効果が得られた。

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 「米国の病院で体験して以来、いち早く手掛けたいと考えていた。日本だけでなくアジアの患者に貢献したい」。昭和大学病院の大嶽浩司副院長兼eICU室長は2018年5月、「eICU」の説明会でこう意欲を見せた。

 eICUはデジタル技術を活用したICU(集中治療室)を指す。重症の患者などを24時間体制で治療する既存のICUを丸ごと置き換えるのではなく、ネットワークを通じて複数のICUを遠隔支援する役割を果たす。AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)といったデジタル技術を駆使して、患者の状況をリアルタイムで把握。異常をいち早く検知したり、患者の状態を予測したりしてICUのスタッフに知らせる。

 昭和大学病院は2018年4月から、同病院を含む2つの病院でeICUの運用を始めた。日本はもちろんアジアでも導入するのは初という。

 昭和大学病院に置いたeICUセンター(集中治療支援センター)には医師や看護師などスタッフ3人が常駐。eICUを活用して2つの病院のICUを支援する。各病院のICUにはカメラやモニター、スピーカー、マイクを設置。eICUセンターのスタッフはICUの看護師などとやり取りしたり、モニターで状況を確認したりできる。プロジェクトの中心メンバーの1人である小谷透集中治療科診療科長は「シリンジ(針なし注射器)が開いていないといった異常をすぐ察知して知らせるなど安全面で効果が得られた」と手応えを話す。

図 遠隔集中治療患者管理プログラムの概要
全患者の状態を遠隔から管理
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図 eICU導入の流れ
ワークフローの作成に半年かける
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