塩野義製薬は経費精算や間接材の購買に使うシステムを刷新した。特徴は電子帳簿保存法に沿って、領収書をスマホで撮影・送信できる点だ。利用部門と3カ月の業務プロセス改善に取り組み、ガバナンスも強化した。

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 塩野義製薬は2018年12月に経費精算や間接材購買といった間接業務に使う新システムを稼働させた。ガバナンスを強化するのが狙いだ。システム開発に合わせて業務の規定や進め方を見直し、承認フローや経費の流れに関するトレーサビリティーを確保した。

 加えて、国税に関わる書類を電子データとして保存する方法を定めた「電子帳簿保存法」の要件を満たすように作り込んだ。これにより経費精算の際に領収書をスマートフォンなどで撮影して送信すれば済むようにした。

 紙の領収書を台紙に貼り付けて経理部門に提出する必要が無くなった。稼働4カ月後の現段階でも経費精算にかかる時間を少なくとも1人当たり3割減らせるめどがついた。将来的には半減できるとみている。

 新システムは国内のグループ会社14社で一斉導入した。利用者は本社や工場、営業拠点など全国87カ所に勤める約5000人だ。この規模で電子帳簿保存法に対応するシステムを稼働させるのは珍しい。

 システム刷新の完遂に向けてグループが一丸となった。塩野義製薬のほか、経理などのシェアードサービスを提供する子会社であるシオノギビジネスパートナー(SBP)と、IT子会社のシオノギデジタルサイエンス(SDS)を巻き込んだ。

塩野義製薬子会社のシオノギヘルスケアが販売する一般医薬品の例
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 プロジェクトの運営や技術支援はITコンサルティングのシグマクシスに依頼。プロジェクトの開始当初から共同で取り組んだ。

 プロジェクトメンバーは最上流のシステム構想に3カ月間を費やし、ステークホルダーを巻き込みながらプロジェクトの目的や進め方、実装方針を練り上げた。システム開発に割く時間は欧州SAP傘下の米コンカーが提供するクラウドサービスを使うことで、最小限に圧縮。電子帳簿保存法の条文の曖昧さを国税庁相手に1つずつ解決し、2018年2月の構想策定開始から10カ月間で予定通り稼働させた。

図 間接業務のデジタル化プロジェクトにおける3つの目的
「ガバナンスの強化」が第1の目的
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