サッポロホールディングスは社員の質問に答えるチャットボットを導入した。人が4分近くかけていた回答時間は30秒まで減り、回答率は6割に達する。当初は3割と低迷したが、FAQの作成法や見せ方などを工夫して盛り返した。

[画像のクリックで拡大表示]

 「ビール工場に顧客を案内したいがどんな手続きが必要か」「パソコンの操作方法が分からない」「落とし物をした」「出張費の申請方法を知りたい」―。サッポロホールディングス(HD)は社員の様々な問い合わせにAI(人工知能)が自動で答える「チャットボット」の活用を広げている。

サッポロホールディングスの本社(上)と主力商品(右)
(写真・画像提供:サッポロホールディングス)
[画像のクリックで拡大表示]

 2018年12月にサッポロビールの本社部門で使い始め、2019年6月までに約1000人が働く営業部門でも活用する計画だ。これに先立ち、2017年1月からグループの人事や総務、経理、IT、調達、物流の6分野についてシェアードサービスを提供するサッポログループマネジメント(SGM)で実証実験を始め、1件の問い合わせを解決するのにかかる時間を平均3分45秒から30秒まで縮めた。9割近い削減である。

 利用者は2018年12月現在で約750人とグループ全体の1割を超えた。SGMが約180人、サッポロビールの本社部門が約360人、サッポロHDが約210人という内訳だ。今後、グループ各社にも広げる考えだ。

現場の知識を集約

 サッポロHDがチャットボットを検討し始めたのは2016年のことだ。事業の拡大に伴ってグループ各社からSGMへの問い合わせが増え、業務量の削減が課題となっていた。

 「約6500人のグループ社員からの問い合わせに担当者が1件ずつ電話やメールで回答していた。回答業務は煩雑なため、どうしても回答待ちの時間が発生してしまう。問い合わせるほうにも答えるほうにも不満が生じていた」。SGMで導入プロジェクトを進めた河本英則改革推進部兼BPR推進室課長代理はこう振り返る。

サッポログループマネジメントの安西政晴BPR推進室長(左)と同室の河本英則課長代理
[画像のクリックで拡大表示]

 河本課長代理らは社内の公募制度を使ってチャットボットの導入を役員に進言した。「チャットボットを使えば電話やメールによる問い合わせを減らせ、社員は本来の業務に集中できる。問い合わせ応対業務の引き継ぎも楽になると訴えた」(河本課長代理)。

この先は有料会員の登録が必要です。「日経コンピュータ」定期購読者もログインしてお読みいただけます。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら