スマホケースなどを手掛ける神奈川県小田原市の中堅企業がクラウド事業者として成功した。Hameeが提供する電子商取引システムは、今や3600社が利用する。その立役者はエンジニア第1号として入社した鈴木淳也氏だ。

 スマートフォンケースなどモバイルアクセサリー商品の企画・販売をするHameeに入社したのは2005年8月だった。1997年の創業以来、初めて入社したエンジニアだった。

 大学で土木工学を学んだ後、趣味のプログラミングの延長で受託開発を手掛けるITベンダーに入社した。巨大なデータベースから統計データを抜き出すプログラムを書くという裏方の仕事だった。4年ほど勉強のために在籍した後、大手ITベンダーに転職するつもりだった。ところが「エンジニアを採用したい」というオファーがあり、Hameeに入社した。入社すればエンジニア第1号になるという誘い文句が魅力的だったことが大きな理由だ。

鈴木 淳也(すずき・じゅんや)氏
大学卒業後、ITベンダーを経て2005年にHamee入社。電子商取引の実務を担いながら2007年に社内向け電子商取引システムを開発、2008年に同システムを外部提供して事業化。2010年に執行役員システム部マネージャー、2013年より現職。(写真:上重 泰秀)
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自社向けシステムで新規事業

 転職が決まった翌日から自主的に出社して、携帯電話のストラップなどを消費者に直販する電子商取引(EC)サイトの業務を手伝った。仕入れから発注、出荷まで一連の作業をひと通り経験した後、業務を改善するためのシステムの開発を始めた。

 当時の社屋はほぼ半分が倉庫で、壁全体に積み上げられた商品の棚卸しすらできておらず、在庫が何個あるのか分からない状態だった。ITベンダーに作らせた受発注・在庫管理システムへの社員の不満が募る一方で、注文が入っても在庫が足りず、製造元からの入荷を待って商品数がそろえば出荷していた。業績は伸びていたものの、悪循環を断ち切る必要があった。

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