レシピサイトを運営するクックパッドは本業回帰と海外展開を狙う。経営戦略を実現するにはシステム刷新が必要と説いたのが中野仁氏だ。自らプロジェクトを主導し、IT部門も立ち上げCIOに準じる役割を担うコーポレートエンジニアリング部長に就いた。

 情報システム対する日本企業の典型的な間違いは、IT投資を各部門の判断に任せて現場の便利ツールとして導入することにある。「残業を減らしたい」といった目先の課題を解決するのに役立つからだ。でもシステムは本来、経営課題を解決して企業の競争力を強化するために導入するべきもの。そこで生み出されるデータこそが競争力の源泉だ。部門を横断してデータを円滑に活用できるシステムの存在が、グローバルで戦っていくうえでの必要条件と言える。

1978年生まれ。ITベンダーのSEを経て2008年にオーディオテクニカに入社しIT部門でシステムの企画・構築に携わる。ネットベンチャーのIT部門を経て2015年にクックパッド入社。2018年1月より現職。システムコンサルティングのAnityAを設立し代表取締役を務める。(写真:陶山 勉)
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 2015年に私が入社した当時のクックパッドも、それぞれの部門がIT予算を持つ個別最適に陥っていた。人事関連だけでも採用、評価、勤怠、給与と業務別にシステムが稼働しているうえに、人事マスターデータが分散していた。全社の従業員数を集計するのに、様々なシステムから情報を参照して数日を掛けるありさまだ。明らかにシステムが多すぎて、システム連携も満足にできない非効率な状態のまま放置されていた。

 しかも創業から18年がたち社員数が単体で250人を超えているにもかかわらず、専門部署としてのIT部門がなかった。人事部門に運用やヘルプデスク担当など3人のチームがあるだけで、全社を俯瞰してシステムを企画する体制になっていなかった。

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