セブン&アイ・ホールディングスがプラットフォーマーへの道を歩む。デジタル推進の体制を整え、グループ横断でデータ活用に取り組む。国内約2万店の店舗を強みに、米アマゾン・ドット・コムに対抗できるか。

1989年セブン-イレブン・ジャパン入社。2002年イトーヨーカ堂取締役、2009年そごう・西武取締役などを経て、2011年セブン&アイ・ホールディングスシステム企画部シニアオフィサー。2016年副社長、2018年3月より現職。(写真:竹井 俊晴)
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 1989年に私がセブン-イレブン・ジャパンに入社した際、会社案内に書いてあった言葉を今も忘れない。「モノよりデータが早く動く時代」。1982年にはPOS(販売時点情報管理)を導入し、業界に先駆けてマーケティングや商品開発に生かしてきた自負を入社早々に垣間見た。

 2016年に井阪(現社長)体制が発足したタイミングで、デジタルと金融を見てほしいと言われ、管掌役員となった。その際にグループ全体に向けて、現実世界で顧客とのつながりをどう紡いでいくかに焦点を当てるという話をした。カスタマーエンゲージメント(顧客とのつながり)、カスタマーオリエンテッド(顧客中心)、カスタマーエクスペリエンス(顧客の体験)をキーワードに、顧客ともっとつながっていこうと語りかけた。

 2015年10月にセブンイレブンやイトーヨーカドーなどグループのEC(電子商取引)サイトを統合して「オムニ7」を立ち上げ、顧客のIDを統一した。これによりセブンイレブン単独ではなく、グループ全体で立体的に個々の顧客とつながれるようになってきた。あとは実店舗でそれをどう実現していくか。オフラインでの取り組みを強化するのがデジタル戦略の第2段階と捉えている。

 デジタル戦略のベースになっているのが、2014年から始めたパーソナル・マーケティング・プロジェクトだ。私がシステム関連の担当役員だった時に立ち上げた。専用アプリをダウンロードしてもらい、アプリ内で電子マネー「nanaco」に登録した顧客に、購買行動に応じてクーポンやメールを配信した。1年間の実験で店舗への誘導などに確実な手応えがあった。この成功体験がリアルとデジタルを融合すれば顧客とより良い関係性が築けるという実体験となった。

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