JR東日本が鉄道技術と情報技術を掛け合わせた「レールテック」に挑む。人口減少時代の生き残り策として、データ重視を打ち出した。鉄道の現場に精通したCIOは、データ活用による現場の横連携に力を注ぐ。

 国鉄の分割民営化によりJR東日本が発足して30年が過ぎた。私は2018年6月に新設した技術イノベーション推進本部の長を務める。新組織は鉄道技術を担う技術企画部と、IT部門に当たるシステム企画部を統合して発足した。

 ITを活用して社内業務を変革しつつ、顧客に新たな価値を提供する取り組みをこれまで以上に強化する狙いだ。7月に発表した新経営ビジョン「変革2027」は「移動・購入・決済のデータ融合により新たな価値を創造する」とうたっており、その推進役を担う。

1985年日本国有鉄道入社。1987年東日本旅客鉄道入社。仙台支社運輸部車両課長、水戸支社運輸部長などを経て、2014年執行役員鉄道事業本部運輸車両部長。16年常務執行役員。17年常務取締役鉄道事業本部副本部長。18年より現職。(写真:陶山 勉)
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 30年間の事業展開は鉄道が起点だった。電子マネーのSuica事業や駅ナカ店舗などの生活サービス事業が成長したとはいえ、あくまで鉄道事業に付随したものだった。

 これからの30年を考えると、人口減少が進む日本において鉄道だけでは生き残れない。特に東北6県は2040年までに3割近くの人口減が見込まれ、固定費比率が高い鉄道事業の収支は急速に悪化する。運行や保守を担う人材の確保も難題だ。これらを打開し新たな価値を創造するうえで鍵を握るのが、当社が蓄積した移動や購入、決済にまつわるビッグデータだ。

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