ロボットとAIを駆使して自動化と省力化を極めた物流システムを開発し、物流施設を従量課金で提供する「サービス」としての物流事業に取り組む。巨人アマゾンの物流への本格参入を見据え、対抗軸の形成に挑む。

(写真:陶山 勉)
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 非効率な業務プロセスやコスト構造を最新のITで変革し、環境変化に強い物流システムを作る。物流ITベンチャー、GROUND社長の宮田啓友が掲げる事業戦略だ。物流倉庫内の人の作業を手助けするロボット技術と、多数のロボットを効率的に運用管理するAI(人工知能)技術。これらを組み合わせて入出庫や検品といった作業を自動化し省力化する。

 海外のベンチャー企業と組み、様々な物流支援ロボットの開発に取り組んでいる。例えば倉庫内の商品棚を自動搬送する「バトラー」。台車型ロボが商品棚を作業員の元に運んでくる。作業員は自ら倉庫内を歩き回らなくてすむ。既に大和ハウス工業と組んで千葉県市川市に開設した自前の物流施設で稼働させている。家具販売大手などにも納入した。

 倉庫内で作業員を先回りして最短経路を案内するロボや人間の代わりに商品をつかむ自動ピッキングロボなども開発中だ。「物量の急増と人手不足が常態化している現場を救いたい」。

 物流システムの提供方法についても業界の常識に挑む。目指すはロジスティクス・アズ・ア・サービス(LaaS)だ。物流支援ロボからAIによる管理ソフト、倉庫内の設備まで物流施設全体を従量課金制で提供する。利用企業は使った分だけ料金を支払う。物流施設をサービスとして利用できるようになれば設備投資負担が軽くなる。しかもGROUNDが用意するロボなどの最新設備をいち早く使える。AIなどのソフトも常に最新に保たれる。いわばクラウドサービスの物流版だ。

 想定する利用企業は消費者向けのEC(電子商取引)事業者だ。テレビやネットで話題になると注文が急増するなど物量の変動が予測しづらい。季節や商戦時期に応じても急激に上下する。企業間物流とは異なる難しさを持つ消費者向けEC物流の課題をLaaSで解決する。

 物流業界は一度導入した設備を10年単位で償却するのが当たり前だ。「変化の激しい時代には長すぎる。ITを活用し物流施設全体をサービスとして必要に応じて利用できるようにする」。

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