Windowsの会社からクラウドの会社へと転換を果たし、時価総額世界一に上り詰めた。変革と成長を両立させた、世界を代表する経営者はいま何を考えるのか。改革の要諦、巨大IT企業の使命、AIと社会、リーダー論について聞いた。

聞き手=戸川 尚樹、大和田 尚孝

Satya Nadella(サティア・ナデラ)氏
米サン・マイクロシステムズを経て1992年マイクロソフト入社。オンラインサービス部門の研究開発トップ、クラウド&エンタープライズ部門のエグゼクティブバイスプレジデントなどを歴任。クラウド事業の拡大に貢献した。2014年にスティーブ・バルマー氏の後を継ぎ3代目CEOに就任。インド出身。51歳。(写真:村田 和聡)
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Windowsの会社からクラウドの会社へと変身できたのはなぜですか。

 世の中の変化に対応する。これはマイクロソフトに限らず、あらゆる会社に求められることです。

 マイクロソフトの場合、「未来は分散コンピューティングに向かっていく」とはっきり見えていました。世界中の人々がコンピューターのリソースをより効率的に活用しやすい世界を作らなければならなかったわけです。

 こうした使命を果たすためにクラウドの「Azure」を開発しました。当社は「Azure Sphere」や「同 Stack」など様々なサービスを用意しています。いずれも顧客が実現したいことの基礎になるものと考えれば、我々は未来を見据えて「新しいWindows」を作ったということになります。

Windowsの成功体験があるだけに変革は難しかったのでは。

 会社や組織にとって重要なのは、新しいコンセプトを継続して考えることです。クラウドのような新たなコンセプトを実現するには、それまでの前提や枠組みを見直す必要がある。

 例えばWindowsはマイクロソフトにとって重要な製品であることに変わりはありません。ただし「Microsoft 365」やAzureなどの一部になったという点では、位置付けを変えています。

 どのようにすれば新しいコンセプトを生み出し続けることができるのか。社員個人については、エンジニアやデザイナー、営業担当者などの仕事に関係なく、個々が新たな能力やスキルを磨き続ける必要があります。

 組織としてやるべきことは文化の変革です。私が最も重視したのもこれです。「全部知っているよ」という姿勢から「あらゆることについてもっと学ぼう」という文化へと変化しなければならなかった。会社の文化が変わると新しい能力やスキルを獲得できる。それが新たなコンセプトや製品・サービスを生み出す原動力となるのです。

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