自民党でIT戦略特命委員長を9年務めた党内屈指の「IT通」が満を持して登用された。デジタル化の恩恵を全国民に届けることを最大の使命とし、政策などの整備に挑む。AIとデータ活用、IT予算の一元化、クラウド導入などに意欲を燃やす。

聞き手=編集長 大和田 尚孝

担当分野にITを冠した初の大臣です。どんな使命を担っていますか。

 一言で表すと「デジタル化の恩恵を全ての国民に届ける」です。

 私は2000年の衆議院議員の初当選から一貫してIT政策を担当してきました。この18年の間にGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)のような巨大IT企業が台頭するなど、世界でデジタル化とグローバル化が進んでいます。

平井 卓也(ひらい・たくや)氏
1958年生まれ。1980年上智大学外国語学部卒後、民間企業を経て1987年に西日本放送社長に就任。2000年6月の衆議院選挙に出馬し初当選して以来、IT政策を一貫して担当する。2009年に自民党のIT戦略特命委員長に就任。2018年10月より現職。IT政策のほか、科学技術政策、宇宙政策、知的財産戦略、クールジャパン戦略も担当する。(写真:村田 和聡)
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 その中で私たち政府関係者が考えるべきは、デジタル化した次代の社会をデザインする政策です。デジタルの技術が世代を超えて便利に使われるか、人間をどう幸せにするか、人間をより健康にするか、といった視点が最も重要です。

デジタル化そのものが政策の目的ではなく、デジタル技術の活用策を考えることが重要だと。

 そうです。分かりやすく言うとデジタル化によって「私の母親を喜ばせることができるか」です。私の母のような高齢者が喜べないデジタル化ならば、それは高齢化が進む日本の社会において機会均等を実現できません。

全国民がデジタル化の恩恵を受けるために、日本は何をどうすればよいでしょう。

 2023年に人口の半数が50歳を超えるなど、日本は超高齢化で世界の先頭を走っています。生産年齢人口が減り経済成長も難しく、政府の財政赤字は増え続けています。これらの課題解決が大きな政策テーマです。行政の電子化を推し進めているのも、人口減に対応し行政を効率化するという社会課題の解決のためです。

 これまで政府はIT政策に関連して様々な実証実験をやってきました。ですが「実験止まり」の現状を変える必要があります。これからは実装を前提に政策を進めます。例えばAI(人工知能)も農業や物流など、できる分野から確実に実装していきます。

 デジタル化政策は社会政策とセットで進めないと新たな格差を生む面もあります。そこで高齢者などにデジタルの利活用方法を支援する「デジタル化サポーター」の制度を作りたいと考えています。民間ボランティアと協力するなど、方法はあります。デジタル社会での機会均等を実現するためには欠かせない視点です。

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