所属研究者の吉野彰名誉フェローのノーベル化学賞受賞で脚光を浴びた旭化成。AIやIoTを活用し、素材開発から事業化までのデジタル変革に力を入れる。小堀社長は成長事業を生み出すために、社内外の「コネクト」が必要と説く。

(聞き手=大和田 尚孝、外薗 祐理子)

吉野彰名誉フェローが2019年のノーベル化学賞に選ばれました。おめでとうございます。

 ありがとうございます。自分のことのようにうれしく思っています。当社だけではなく、日本の産業界の誇りではないでしょうか。

小堀 秀毅(こぼり・ひでき)氏
1978年旭化成入社。OA機器や自動車部品の材料として使用される機能樹脂の開発営業を担当した。85年にLSI事業に異動。1990年代には音声をアナログ/デジタルに変換するデバイスの事業プロジェクトを立ち上げた。2010年旭化成エレクトロニクス社長。2012年旭化成取締役兼常務執行役員(経営戦略・経理財務担当)。2016年から現職。(写真:村田 和聡)
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 受賞が決まったとき、私は投資家とのミーティングで欧州に出張していました。決定の瞬間に日本にいなかったのは残念ですが、投資家の方々からも祝福の言葉をもらいました。当社が素晴らしい研究者を擁するテクノロジーベースの企業だと改めて認識してもらえたと感じています。

足元の収益と基礎研究を両立させるためにどんな工夫をしてきましたか。

 これまで売上高の4%をめどに年間の研究開発費に充ててきました。それだけではなく、研究開発に携わる従業員がモチベーションを高く保てる環境も重要です。

 中長期的に研究開発力を高める取り組みとしては、2019年度からの中期経営計画に「持続可能な社会づくりに貢献して企業価値を高める」という目標を掲げました。目標とする姿を実現するため、注力する事業分野を環境・エネルギー、モビリティー、ヘルスケアなど5つに絞り込み、各分野について私たちが強みを発揮できるコア技術を棚卸ししました。コア技術にさらに磨きをかけることに、多くの研究者が携わるようにしています。

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