赤字転落から1年、SNSなどのデジタル活用によって業績回復を果たした。消費増税を先取りした価格改定で反動減を押さえ成長を見込む。長期の成長に向け、IT分野をはじめとする研究開発投資が不可欠と断言する。

(聞き手=大和田 尚孝、玉置 亮太)

新井田 昇(にいだ・のぼる)氏
1997年慶応義塾大学経済学部卒業、同年三菱商事入社。2003年、幸楽苑(現幸楽苑ホールディングス)入社。楽天出向、アリアケジャパン出向、取締役海外事業部長、常務取締役海外事業本部長、副社長兼海外事業部長などを経て17年に幸楽苑社長に就任。18年より現職。1973年生まれの46歳。福島県出身。(写真:村田 和聡)
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2019年3月期は最終黒字に回復し、今期も増収増益を見込んでいます。V字回復した要因をどうみますか。

 ブランドイメージの回復を図って、幸楽苑から足の離れたお客様や新しいお客様を取り込めたのが一番でしょう。2016年に異物混入事故を起こしてからイメージが悪化して、2018年3月期は赤字決算を招きました。そこでテレビCMやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を組み合わせてイメージ回復を図りました。

 おかげさまで足元の業績は悪くありません。昨年9月から10カ月連続で既存店のお客様数が前年同月を上回りました。今年7月に残念ながら記録は途切れてしまいましたが、8月はまた前年同月を超えました。

ディズニーの戦略から着想

SNSの積極活用に踏み切ったのはなぜでしょう。

 東京ディズニーリゾート(TDR)の戦略を知ったのがきっかけです。TDRのキャスト(従業員)はゲストの写真を喜んで撮ってくれます。ゲストが写真をSNSで友人に見せて宣伝してくれるからです。

 当社の商品の写真をTwitterやFacebookなどで発信したりお客様に投稿してもらったりすれば宣伝になると考えました。

SNSを使っても売り上げ増につながるとは限らないのでは。

 おっしゃる通り、即効性はありません。すぐに売り上げや来店客数が増えるわけではありませんが、TDRと同じく長期間続けて企業イメージを高めようと努力しました。

(写真:村田 和聡)
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 SNSアカウントを効率よく運用するため、社内の体制も見直しました。新たに広報室をつくり、機能分化させてSNS運用の専門部署を設けて今に至っています。

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