大林組の元CIOで建設技術のプロフェッショナルが7月に政府CIOに就いた。省庁のデジタル改革やデータ活用による経済活性化などの難題に挑む。「目的と手段を混同しない」「成果を分かりやすく示す」などIT活用の本質重視で臨む。

(聞き手=編集長 大和田 尚孝)

三輪 昭尚(みわ・あきひさ)氏
1974年京都大学工学部卒、大林組入社。1983年イリノイ工科大学大学院経営工学修士課程卒業、2004年大林USA社長。2005年大林組執行役員。2007年常務取締役原子力本部長、2008年情報システム担当。2010年取締役専務執行役員、2018年顧問。7月から現職。(写真:村田 和聡)
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政府CIOについて、いつごろ就任の打診があったのですか。

 私もびっくりしましたが、かなり前です。当時は前の会社(大林組)で一生懸命やっていましたので受けられませんでした。その後も何度か声をかけてもらい、相当悩みました。

ご自身のどんな点が評価されたと思いますか。

 私は最高情報責任者(CIO)と最高技術責任者(CTO)の両方を担いました。例えば建築設計で「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」と呼ぶ3次元モデルなどの活用を進めました。世界の建設会社のなかでも真っ先に取り入れ、最も多く使ったと思います。

 「ITを使いまくって業界トップになる。ITを使わなかったら企業は生き残れない」と、ずっと話してきました。2015年には『日経情報ストラテジー』の「CIOオブ・ザ・イヤー」に選ばれました。こうした活動もきっかけに声をかけてもらったのでしょう。

政府CIOは重責なのに薄給だと思います。尻込みをしたり、割に合わないと思ったりしませんでしたか。

 国のIT化に関われるのは、やりがいがあるだろうと思って引き受けることにしました。企業レベルよりも規模が大きい。もちろんうまくいく保証はありませんが、がんばってみようと決めました。

(写真:村田 和聡)
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政府CIOとして、国のシステム案件をどう舵取りしていきますか。

 前任の遠藤紘一氏は「事実をつかむ」ことを強調していました。事実がなければ議論は始まらないというわけです。遠藤氏は年間予算が6000億円近くある政府のIT投資の無駄をなくして、削減できるところは減らしました。そのうえで本当にやりたい新たな整備にお金を回す道筋を開き、いろいろな目標も達成されました。私も継承しようと思っています。

三輪流はどう打ち出しますか。

 私は「何のためのシステム化か」という目的を強調しながら進めたいと考えています。何を目指すのか、最終的に国民のためになるのかを常にはっきりさせて進めていきたいと思います。

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