空港から客室、整備、本社の事務まで聖域なきIT改革に取り組む。社内に散在していたデータを統合し、一貫した顧客サービスに役立てる。懸案だった国内線と国際線の基幹系システム統合にも踏み出す。

(聞き手=大和田 尚孝、金子 寛人)

足元の経営環境は好調ですね。

 航空需要は旅客も貨物もここ数年堅調です。米国の経済が好調ですし、日本企業の業績も良く出張が増えています。訪日外国人の増加も追い風です。

 2020年は東京五輪・パラリンピックに向けて羽田・成田空港の発着枠が増えます。2019年は欧州エアバスの「A380」を5月24日から営業便に投入するなど航空機の増備が続きますし、それに併せてウィーンやパース、チェンナイなど新規路線も開設します。けっこう忙しい1年になりそうです。

片野坂 真哉(かたのざか・しんや)氏
鹿児島県出身。1979年東大法卒、同年全日本空輸(ANA)入社。2004年人事部長、2007年執行役員、2009年取締役執行役員、2013年ANAホールディングス副社長、2015年から現職。経団連の副会長を務める。(写真:村田 和聡)
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不安要因はありませんか。

 もちろん心配事はたくさんあります。例えば当社は常に世界の地政学リスクにさらされています。米中貿易戦争の影響で2月ごろから貨物の流れが減っています。当社の貨物便は半導体を中国に運んだり、中国で製造したスマートフォンを成田経由で米国に運んだりしているためです。

 他のリスク要因としては、例えば当社はパイロットの飲酒の問題を起こしてしまいました。3月21日の夜には、成田空港で貨物機が他社機と接触事故を起こしてしまいました。地上係員が働く駐機場はエンジンの音などで騒々しい職場環境です。ITを使って係員が連絡を取れると状況が変わるのではと感じています。

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