創業20周年を機に、ゲーム中心の国内企業から世界のIT企業への転身を狙う。成長に向けて、IT企業のM&A(合併・買収)にも積極的に取り組むと宣言する。副業に加え社員の起業支援策を検討、優秀なIT人材を引き寄せることに注力する。

(聞き手=編集長 大和田 尚孝)

2019年3月で創業20年です。率直な感想を聞かせてください。

 実を言うとそれほど高い志を持っていたわけではないんです。人の事業に横からアドバイスをするコンサルタントをやっていたので、そうではなく自ら汗をかいて事業を回してみたいというささやかな気持ちからでした。

南場 智子(なんば・ともこ)氏
1986年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。90年、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得。96年、マッキンゼーでパートナー(役員)に就任。99年に同社を退社しディー・エヌ・エーを設立、社長に就任。2011年に社長を退任。取締役を経て、15年6月、取締役会長に就任。2017年3月より現職。(写真:村田 和聡)
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 事業を始めたら元マッキンゼーのパートナーで女性ということで、幸か不幸かいろいろ取り上げられてしまいました。一方で事業はうまくいかない、そんな時期が続きました。

ネットバブルも重なりITベンチャーがたくさん誕生しました。

 その熱に影響されたわけではなく、たまたまだったんです。数多くの企業が立ち上がったにもかかわらず生き残ったのは一握りです。そういう意味では一定の誇りを持ってもいいのではと思っています。

米国勢に持っていかれた

 でも、世界の人々の生活や楽しみ方を根幹から変えるメガトン級のインパクトは米国勢に持っていかれたというのが正直なところです。それが平成という時代の日本経済の反省点でもあると思います。

 ネットやスマホ向けのアプリやサービスの分野では、輝く企業が日本からもたくさん生まれました。しかし生活や企業活動の根本を大きく変えてしまうWebブラウザーやOS、スマホといったプラットフォームは米国勢に持っていかれました。

(写真提供:ディー・エヌ・エー)
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確かに「GAFA」と呼ばれるプラットフォーマーはみな米国勢です。

 日本企業はすり合わせの技術や均質なモノを大量に作る技術は得意です。モノ作りの技術を生かし、国境を超えて事業を展開してきました。一方、インターネットの世界は国境がありません。ネットのプラットフォーム開発は世界を1つと捉えて、大きな仕組みを作れるかどうかの勝負。必ずしも日本企業の強みを生かせませんでした。

 当社も世界が度肝を抜くような、この会社なしでは生きていけないというサービスを生み出せていない。ここは残された課題でもあります。

主力のゲームに加え、人々の移動を支援する事業に注力しています。

 ええ、いま最も力を入れているのはタクシー配車サービス「MOV(モブ)」です。東京都と神奈川県でサービスを提供しています。けっこういい戦いができていると思っています。これをまずしっかりと成功させたいです。「Anyca」というカーシェアリングのサービスもやっています。

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