デジタルトランスフォーメーション(DX)はバズワードではない。DXの本質は変革。変革なき企業は生き残れない。先進事例を徹底研究し、DX成功の要諦を探る。

 常に新しいサービスや商品を追加・改良できるようにするため、ニチガスは基幹系システムをマイクロサービスで再構築する。伊藤忠商事は基幹系刷新を機に、全社員がいつでもあらゆるデータを活用できる環境を用意し、商社ビジネスを新しい形に進化させる。

機能別に「みじん切り」、究極の基幹系に挑む
日本瓦斯

 「同じ成功を繰り返そうとしてはいけない」。ニチガスの和田真治社長は社員に対して口ぐせのようにこう説いている。次々と新しいことに挑めという意味だ。失敗ではなく成功の繰り返しを禁じているのがミソだ。

 和田社長はDXを「マインドセットの変革」と捉える。「技術もデータ量も指数関数的に伸びていくなか、新しい試みに常に挑めるシステム基盤が必要だ」(和田社長)。

 都市ガス事業の新規参入業者に自社の基幹系システムを提供したり、毎月のガスや電力の使用量と請求金額が分かるスマートフォンアプリで顧客接点を強化したりと、DXに積極的な企業として知られるニチガス。エネルギー自由化という業界構造の変化をチャンスと捉え、DXで事業の領域と規模を拡大させようという野心を抱く。

ガス利用者向けスマートフォンアプリの画面例
[画像のクリックで拡大表示]

 2018年10月に電力小売事業に参入し、ガスと電気の垣根を越えた競争に身を投じた。最終的に目指すのは「地域に根差したプラットフォーマー」(和田社長)。各種公共料金の決済や引っ越しの際の住所変更手続きなどを一元的に受け付ける暮らしの窓口のような存在だ。「あの会社、昔はガス会社だったんだよ」――。和田社長は人々がこう口にする未来を思い描く。

この先は有料会員の登録が必要です。「日経コンピュータ」定期購読者もログインしてお読みいただけます。今なら有料会員(月額プラン)が12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら