富士フイルムホールディングス(HD)がデジタルトランスフォーメーション(DX)に挑んでいる。体制整備、新事業、業務改革という3つの側面から取り組みを見ていく。今回は業務改革を取り上げる。

 富士フイルムHDは社内の業務効率化にもデジタル技術を活用して成果を上げている。代表例がRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)だ。

業務改革
RPAで作業時間を6割減

 2018年2月、Robotic Innovation室(RI室)という専門組織を同社に立ち上げた。RI室は間接部門を中心にRPAの導入を主導している。

図 業務プロセス改革の推進体制
RI室が旗振り役
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 「何でもかんでもRPAで、とは考えていない」とIT企画部長も務める柴田英樹RI室マネージャーは強調する。まず業務を断捨離し、プロセスを標準化する。その上で必要に応じてRPAを使う。RI室は各部門の課題に応じて、RPAのほかOCR(光学的文字認識)やExcelのマクロ、AIなど適切な技術を提案する。富士ゼロックス執行役員全社改革室長を兼ねる内藤恵一RI室次長は「業務改革にRPAなどを組み合わせて、トータルで進める」と説明する。

 個々の技術を活用する際は製品をあらかじめ絞らず、複数の選択肢を用意している。製品ごとに得手不得手があるためだ。RPAツールとしては米UiPathやRPAテクノロジーズ、NTTデータなどの製品を取りそろえる。

取引先の登録業務を自動化

 経理業務の一部で人手に頼っていた作業をRPAで代替したところ、作業時間を6割以上減らせたという。同機能は富士フイルムグループの主要な事業会社に展開中だ。

 RPAで自動化したのは、取引先をマスターデータに登録する作業だ。取引先の登録作業は簡単なように思えるが、実は複雑だ。新たな取引先を登録する際に、富士フイルムグループとの取引の有無などを確認する「存在確認」というプロセスが欠かせない。ここに独特のノウハウが必要だった。

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