デジタル変革(DX)の第一歩は戦略設計図の作成にある。例えばGAFAの戦略には共通項がある一方、重視するポイントはそれぞれ異なる。自社の強みを発揮できる分野を見極めて戦略を考えたい。

 この連載は企業に価値をもたらすデジタル変革(DX:デジタルトランスフォーメーション)を組織としてどのように実践すべきかを、事例を交えつつ説明している。デジタル変革はAI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)をはじめとするデジタル技術を活用して、新たな事業やサービスの創出、顧客満足度の向上などを狙う取り組みを指す。

 前回はデジタル変革のあり方と進め方を取り上げた。デジタル変革は既存のビジネスをデジタル技術によって高度化する「デジタルソリューション」、デジタル化されたサービスをコンテンツとして提供する「デジタルサービス業」、デジタル化により企業の壁を越えて共存共栄する「デジタルエコシステムの形成」という3つのステップを踏んで進行すると説明した。さらにデジタル変革を既存事業の延長にとどまらず、新たな産業を生み出す挑戦としていくために自社の価値連鎖(バリューチェーン)を持続的に進化させる仕組みが必要だと述べた。

 今回はGAFAすなわち米グーグル、米アップル、米フェイスブック、米アマゾン・ドット・コムを例に、デジタル変革の方向性を示す戦略設計図について解説する。

顧客や従業員、企業の変化が前提

 戦略設計図はデジタル化によって創出したい新たな産業像を示したものだ。精緻な図面というより、デジタル変革で目指す大きな方向性を表していると捉えてほしい。

 デジタル変革のステップとして挙げたデジタルサービス業やデジタルエコシステムを、自社が置かれた状況や目指すべき方向を踏まえて表したものが戦略設計図と言える。

 戦略設計図を作る際は、デジタル化によって顧客や従業員、さらに企業の位置づけが以下のように変わる点を踏まえる必要がある。

顧客:自律的に価値を創出することで、企業との価値共創に参加するパートナーになる
従業員:顧客が製品やサービスの価値を実感し評価する瞬間を支え、価値創造を推進する自立した存在になる
企業:自社の強みに特化して水平分業し、互いの強みを生かしてエコシステムを形成する

図 デジタル変革における企業と顧客、従業員の変化
パートナー化や自立化が加速
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