イベント型の交流よりも、日常生活の中での出会いから生まれるコミュニケーションが大切──。神奈川大学の新しい寮では、多国籍の学生たちが出会って交流できる様々な場を、建物の各所に用意した。

 横浜の住宅地にある神奈川大学横浜キャンパス。国際交流に力を入れている同大は、日本の学生と海外からの留学生が同居する寮を新たに整備した。

 建設に当たって2016年に設計プロポーザルを実施した際、同大は、国内外から集まった学生たちが共同生活を営み、そこでの交流を通じて学生の成長を支援する─という寮のコンセプトを示した。

 設計者に選ばれたオンデザインパートナーズ(横浜市)が、プロポーザルで提案したテーマは「まちのような国際学生寮」。建物の中を「ストリート」と呼ぶ通路が走り、これに沿ってシェアキッチンや多目的スタジオが並ぶ。さらに階段の途中に、「ポット」と呼ぶ小さな部屋をスキップフロア状に置き、路地のような空間を構成するという案だ。

 同社チーフの萬玉(まんぎょく)直子氏は「国や地域によって食文化やライフスタイルが異なり、個人の好みやその時の気分でも行動が変化する。そうした多様なバックグラウンドを知る機会が増えれば、互いの学びになると考えた」と振り返る。

 出来上がった建物は、当初の提案に沿ったものとなっている。

 約200人の入居を想定する施設の1階には、全員が共有する空間を配置。2階から4階は縦に大きく3ブロックに分け、ブロックごとの共有空間と、プライベート空間である寮室を収めている〔写真12〕。

〔写真1〕小さな居場所を立体的に分散
学生寮「栗田谷アカデメイア」の吹き抜け部分。「ポット」と名付けた多様な小空間を随所に配置している(写真:安川千秋)
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〔写真2〕3つの分割された上階を1階がつなぐ
1階北東部のエントランス側外観(写真:安川千秋)
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リビングストリートと、上部に広がる吹き抜け空間(写真:安川千秋)
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断面図
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