100枚以上のCLTパネルで大屋根を構成。最大60mのスパンを飛ばす豪快な建物が2020年春の開業に向けて東京の臨海部で建設中だ。パネルの接合部は、「CLTだからこそ設計しやすかった」と構造設計者は語る。

 CLTを梁に用いた全長60mに達する三角形の大屋根が前面道路に沿って広がる。壁や床に使うことが多いCLTを梁に使うのは、大東建託の「ROOFLAG(ルーフラッグ)賃貸住宅未来展示場」〔写真1〕。大東建託が同社の技術を賃貸住宅のオーナーに体感してもらう施設だ。

〔写真1〕完成に向けてCLTの大屋根を施工
9月の取材時点では鉄筋コンクリート(RC)造の部分の施工が完了して、CLTの屋根を施工し始める段階だった(写真:大東建託)
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(資料:マウントフジアーキテクツスタジオ)
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 建物は、セミナーも開催できる展示棟、来場者が賃貸住宅の住み心地を体感できるモデル棟から成る。

 CLTの屋根を架けるのは展示棟のエントランスアトリウム。約130枚のCLTパネルで構成する。国産のスギを合計で約500m3も使う。各パネルの高さは2.3mで、厚さが270mmと210mmのパネルを組み合わせる。長さは最大11.8mで、重量は約3トンに及ぶ。パネルを格子状に組み、変形を防ぐために斜めにも配してブレースとする。

 設計者のマウントフジアーキテクツスタジオ(東京都渋谷区)が気を使ったのがCLTパネルの個体差だ。CLTの色や節の量などはパネル同士だけでなく同じパネルの表と裏でも異なる。例えば、黄色がかったパネルの面が1カ所に集中すると屋根全体が不自然な見え方になってしまう。そこで、屋根が自然な見え方になるように、パネルの両面の写真を基に各パネルの配置を決めていった。

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