「小屋裏界壁がない」。レオパレス21の施工不備が社会問題となるきっかけは、アパートオーナーの告発だった。問題の物件では、補修費用を巡る訴訟が進行中だ。発覚が遅れた遠因、サブリース契約に潜む問題とは。

 問題が明るみに出るきっかけとなった共同住宅は岐阜市内の長良川近くの敷地に立ち、10戸から成る。木造枠組み壁工法の総2階建て、外廊下・外階段を備えた賃貸アパートだ。レオパレス21が土地所有者と設計・施工一括契約を締結し、1995年に引き渡した〔写真1〕。

〔写真1〕小屋裏界壁の未施工で提訴
問題となった岐阜市内のアパート。2018年3月に実施した調査で、界壁の未施工が判明した。オーナーはレオパレス21を相手取り、損害賠償を求めて提訴した(写真:那須 弘樹)
[画像のクリックで拡大表示]

 オーナーは小屋裏界壁などが施工されていないのは建築基準法違反の瑕疵(かし)だと主張、レオパレス21を相手取り、2018年8月22日に岐阜地方裁判所に提訴した。損害賠償請求額は2006万円だ。

 訴状によると、「(被告のレオパレス21に)請負契約上の瑕疵担保責任があるのは言うまでもない。法に違反するような重大な瑕疵を伴う施工という作為、重大瑕疵を現在まで補修していない不作為があり、被告は不法行為責任も負うべきだ」と原告側は主張している。

 訴えの根拠となったのは原告側が専門家に依頼して実施した調査結果だ。小屋裏空間に界壁が存在せず、1階天井懐では界壁の石こうボードが張られていなかった〔写真2〕。

〔写真2〕確認申請図には界壁が記されていた
写真2a
[画像のクリックで拡大表示]
写真2b
[画像のクリックで拡大表示]
確認申請図
[画像のクリックで拡大表示]
アパートのオーナーは、小屋裏の界壁が施工されていない点(写真2a)、天井裏の界壁に石こうボードが張っていない点(写真2b)の2つが建築基準法違反に当たると主張する。界壁が1階床から小屋裏まで達している確認申請図とは異なる施工状況だ(写真・資料:那須 弘樹)

 レオパレス21は小屋裏界壁の不備は法違反に当たると認めたが、天井裏については「違反に当たらない」と主張している。防火設計指針に基づいて施工したもので枠組み壁工法では石こうボードが連続していなくてもファイアストップ材があれば問題ないと解釈できると反論している。

この先は有料会員の登録が必要です。「日経アーキテクチュア」定期購読者もログインしてお読みいただけます。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら