インドの成長は、ユニークな道をたどるはずだ。国の強力な主導により、土木・交通などハード面を上回るスピードで、IT・デジタル領域のインフラ整備が進む。人口増に伴う課題が山積し、100都市で進めるスマートシティー施策も成熟国とは異なる意味を持つ。先行する国に学び、新しい技術も使って近代化や都市化にアプローチする立場にある。

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 政府は100都市だけに注力するわけではない。都市の実情に応じて3段階のプログラムを持ち、人口10万人以上の500都市が対象の再生計画なども推進する〔図1〕。また、インド鉄道が、既存駅を「空港ライク」に再開発する構想を持ち、今年2月には対象50駅を公表している。

〔図1〕多面的な都市戦略の柱に「スマートシティーミッション」
基本的な課題の解決が第1段階。人口10万人以上の都市を対象とする再生計画「アタルミッション」(Atal Mission for Rejuvenation and Urban Transformation)を第2段階として推進し、これらにもスマート技術を波及させる。スマートシティーミッションは都市政策全体の柱となる(資料:住宅・都市開発省の提供資料を基に作成)
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 「国による対象都市以外に、まだ増える空港や駅周辺で、より絞られた地区を未来的なスマートシティーにする仕事の可能性も感じている」。日本工営コンサルタント海外事業本部で南アジアを担当し、4月に日本に帰任した西野謙常務はこう語る。

 英国の大手建築設計事務所BDPを傘下に置く同社は、双方の現地法人の共同でインフラと建築を融合させたプロジェクトの開拓を開始。5~10年で円借款の対象がソフト分野に移ると見越し、「鉄道関連から空港、都市に対象を広げながら現地法人を育て、地元資金のプロジェクトの受注を狙う」(西野常務)

 都市関連ニーズは多彩で、住宅・都市開発省スマートシティーミッション・ディレクターのクナル・クマー氏は、「スマートエネルギーシステム」「多様な交通手段が共存できるコンプリートストリートと公共領域のデザイン」「水循環に配慮した都市のデザイン」などは日本から進出を検討するに値する分野だと指摘する。スマートシティー・アーメダバード 開発公社CEOのラケシュ・シャンカー氏は、それら以外に「インテリジェントモビリティー」「マルチモーダル(多手段)輸送」などの交通ソリューションを挙げる。

クナル・クマー氏
インド政府住宅・都市開発省 次官補 スマートシティーミッション・ディレクター
ラケシュ・シャンカー氏
スマートシティー・アーメダバード 開発公社 CEO

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