着工から約2年で見学者1500人超。鹿島が設計・施工を手掛ける複合ビルだ。基本計画時からのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用に目が行きがちだが、施工の検討の前倒しが大きな成果を生んでいる。

 「この現場を見ずして、生産性向上は語れない」。大阪を代表するビジネス街、御堂筋沿いに見学者が殺到する現場がある。「オービック御堂筋ビル」だ〔写真1〕。設計・施工を鹿島が担う。フロントローディングによって施工の検討を前倒しし、外壁のプレキャストコンクリート(PCa)をはじめ、徹底したプレハブ化を図っている。

〔写真1〕現場見学者が1500人超え
大阪市中央区の御堂筋沿いで建設が進む「オービック御堂筋ビル」の現場。2月下旬には最上階でプレキャストコンクリート(PCa)の外壁パネルの取り付けが進んでいた。数多くの生産性向上策を盛り込んでおり、3月までに1500人を超える見学者が訪れた(写真:日経アーキテクチュア)
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 建物は鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造の地下2階・地上25階建てで、延べ面積約5万5700m2。主に事務所とホテルから成る。2020年1月の竣工を目指して工事が進む。17年5月の着工以降、現場を見学した人は、延べ1500人を超えた。

 同現場は、1棟丸ごとをBIMでモデル化しており、着工時には総合図までほぼ完成させていた。つまり、建築と構造や設備との不整合は、ほぼゼロの状態で工事に入った〔図1〕。

〔図1〕BIMデータを企画から建物管理まで一貫して活用
建設プロセスのイメージ。オービック御堂筋ビルでは、鹿島のグループ会社が建物管理を受注しており、企画から建物管理まで一貫してBIMデータを活用していく。建物管理で得られる情報を企画に戻し、情報活用のサイクル確立を目指す(資料:鹿島)
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 フロントローディングは、現場の省力化や省人化を図るための検討時間も捻出。プレハブ化だけでなく、ユニット化や合理化工法の採用、自動化・機械化、ICT(情報通信技術)活用など、数多くの生産性向上策を盛り込んでいる〔図2〕。

〔図2〕多数の生産性向上策を導入
オービック御堂筋ビルでは、ほぼ1棟丸ごとBIMモデル化。設備設計や施工計画を含めて事前検討した。試験導入などを含め、左のように数多くの生産性向上策を導入している(資料:鹿島)
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 様々な取り組みによって、当初予定の延べ労働時間を約2割削減。19年3月時点で、現場の「4週8休」もほぼ達成している。

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