契約行為の基本ルールである民法(債権関係規定)の改正法施行が、約1年後の2020年4月に迫った。ますます重くなる専門家責任を理解し、業務や報酬の在り方など、「令和時代」のビジョンを描く必要が出ている。

 3月5日、東京・田町の建築会館ホールに、定員いっぱいの約200人が詰め掛けた。この日開かれていたのは、東京建築士会と日本建築士会連合会が共同開催した「改正民法が建築士業務に与える影響などに関する説明会」だ〔写真1〕。

〔写真1〕改正民法に高い関心
東京建築士会などが開いた改正民法の説明会に約200人が詰め掛けた(写真:池谷 和浩)
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 日本国内の商取引はすべて、民法の債権関係規定に基づいて処理されている。建築関連の各種契約約款もこの規定に基づくものだ。民法の一部改正により、この根拠規定が制定以来約120年ぶりに変更される。施行は2020年4月1日で、この日以降に締結した契約から適用される。

 改正を機に、責任範囲など事業環境が変化する可能性がある。1年後に迫った環境変化を前に、会場の関心は高かった。

 説明会の3分の2の時間を占めたのが、改正民法に備えて改訂作業が進む標準約款に引き寄せた解説だ。改正民法の施行までに、民間向けの事実上標準である設計・監理委託契約の四会連合協定約款、建築工事請負契約の民間(旧四会)連合約款が改訂されることになっている。国の中央建設業審議会による公共工事請負約款も作業が進んでいる〔図1〕。

〔図1〕改正民法対応の標準約款は2020年初めに頒布予定
説明会で明らかになった標準約款のスケジュール。解説書の刊行や講習会などは改正民法施行後となる見通しだ(資料:日本建築士会連合会の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 改正民法では不具合を意味する「瑕疵」という言葉が「契約不適合」へ置き換えられ、より契約を重視する取引ルールになる。ポイントを個別に見ていこう。

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