(イラスト:宮沢洋)
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Q1 3階建てグループホームは耐火建築にしなければならない?

A
  • 3階建て、延べ面積200m2未満の場合は耐火建築物の対象外に
  • 就寝用途がある場合は警報設備を設置
  • 住宅からの用途変更が容易になった

 ストック活用を推進するため、住宅のような小規模な建築物を他の用途に転用しやすくする法改正が相次いでいる。

 今年6月25日の法改正で、グループホーム(寄宿舎に該当)やホテル、病院、児童福祉施設など建築基準法27条1項1号で定める建築物は、階数が3で延べ面積200m2未満の「特定小規模特殊建築物」であれば耐火建築物の対象から外れることになった〔図1〕。このうち病院、ホテル、寄宿舎などの「就寝利用」を伴う施設では、警報設備の設置が条件だ。

〔図1〕特定小規模特殊建築物は「耐火建築物」の対象外に
6月の法改正で、建築基準法別表第1(い)欄の用途で「階数3で延べ面積200m2未満」の場合は耐火建築物の対象から除外。就寝利用の建築物の場合は警報設備の設置が条件となる。主階が1階にない劇場などで階数3以下、延べ面積200m2未満の場合も耐火建築物の対象外に
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 老人福祉法の老人福祉施設に当たる建物の場合、就寝用途を持つ特別養護老人ホームは警報設備を設置することが求められ、通所のみの老人福祉センターでは警報設備は必要ない。

 耐火建築物の対象から外れると、竪穴区画(建築基準法施行令112条10項)も不要となる。その代わり、3階部分を寄宿舎やホテルなどに使う場合は、竪穴部分とそれ以外の部分を間仕切り壁や、ふすま・障子を除く戸で区画することが求められる(令112条12項)。戸は、常時閉鎖または煙感知器連動で閉鎖するものとし、遮煙性能を有する必要がある。

 これらの結果、200m2未満の3階建て住宅をグループホームに用途変更する際のハードルは格段に低くなった。警報設備を設置すれば、柱周りに石こうボードを張るなどの大規模な改修は不要。階段室周りとの間も、準耐火構造の床・壁や防火設備で区画しなくて済む〔図2〕。

〔図2〕戸建て住宅からの用途変更が容易になった
「3階建て200m2未満」の住宅をグループホームに用途変更する場合は耐火建築物としなくてよい。柱周りに石こうボードを張るなどの大規模な改修が不要になった。グループホームは就寝用途があるため、警報機などの設置が必要となる。階段室周りとの間は間仕切り壁や、ふすま・障子以外の戸で区切ればよい
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 一方、自力避難困難者が就寝利用する施設(病院、診療所、児童福祉施設で患者の収容施設や入所者の寝室があるもの)の竪穴部分の区画は、6月の法改正で登場した「準竪穴区画」とする必要がある。具体的には、警報設備を設置したうえで20分防火設備を設置することなどが義務付けられる。

 住宅を寄宿舎や児童福祉施設等に用途変更する場合は、ほかにも住宅には求められていない条件が課せられる〔図3〕。このうち防火上主要な間仕切りの緩和についてはQ2、非常用照明と階段に対する緩和はQ3で詳述する。

〔図3〕住宅からの用途変更では階段や防火区画などに注意する
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