盛り土などの追加荷重で発生する圧密沈下は、沈下量や沈下時間を算定するシミュレーション手法が確立している。地盤などの条件でどのような要素がカギになるのか、簡単な概算式を題材に説明する。

(写真:日経アーキテクチュア)
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 連載第1回(2019年1月10日号「圧密沈下は「収束時期」に要注意」)と第2回(同3月28日号「周辺の造成工事で「連れ込み沈下」」)で、圧密沈下のトラブル例とメカニズムを紹介した。押さえておくべきポイントをおさらいする。

 まず圧密沈下は、軟弱地盤層で土粒子の隙間に含まれている水(間隙水(かんげきすい))が抜けることで生じる。盛り土や構造物などで地盤に新たな荷重がかかると、影響が及ぶ範囲で土塊が縮もうとし、間隙水は「絞り出される」ように土中から流出する。

 新たな荷重が加わると、間隙水は最初は勢いよく、その後は徐々に減少していく。土中の水量減少に従って土の反力(ばねのように振る舞う力)が効き、水圧の逓減に応じて流出水量が減っていくからだ〔図1〕。言い換えると、圧密沈下は初期は急速に、終盤は相対的に緩やかに進行する性質がある。

〔図1〕始めは急速、徐々に緩やかに水が抜ける
始めは土中の水圧で水が勢いよく抜け、沈下速度も速い。水量が減ると土の反力(ばね)が効いて水圧が低下。排水が緩やかになり、沈下速度もゆっくりに (資料:取材をもとに日経アーキテクチュアが作成)
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 盛り土造成では、地盤の支持力(地耐力)や土質、軟弱層の深さ(厚さ)などに応じて、盛り土の限界高さ(限界盛り土高)を算出する。盛り土量や土質などによって、最終的な「圧密沈下量」や沈下収束までの「圧密時間」も試算方法がある。

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