長屋形式の賃貸集合住宅だ。木造在来構法による構造上の特徴を各住戸の配置や、室内の意匠にも生かしている。出入り口と連なる大開口や「中庭」が各住戸に寸法以上のゆとりを与えている。

2階平面図
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1階平面図 ※「*」はメゾネット
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 最寄り駅からほど近い住宅地に立つ木造2階建ての賃貸集合住宅だ。比較的若い単身者や夫婦世帯を想定したプランで、住戸はメゾネットタイプとワンフロアタイプの2種類だ。各戸の間取りは全て異なる。

 柱間910mmピッチで、平面で1スパン2730mm四方のグリッドを基本に、直方体の建物全体をあたかも賽の目に切り分けたように室内空間を配置している。メゾネット6戸とワンフロア9戸が、一見不規則だが、無駄なく組み合わされている。

 発注者はシマダアセットパートナーズ(東京都渋谷区)。設計を手掛けた伊藤博之建築設計事務所(同新宿区)の伊藤博之代表は「“グリッド”は建物内部の座標のようなもの」と表現する。住戸数と各戸の床面積を最大限確保することが、設計の狙いだ。標準規格の建材などを使いやすいメリットもある。

 各住戸の室内は燃えしろ設計の構造柱を現しにしたうえで、床には構造柱同士の足元を柱幅で結ぶ帯状の部分だけ、柱と同色同柄の板材を張っている。梁のように見せる床仕上げで、構造柱と一体でグリッドの存在を表現している〔写真1〕。

〔写真1〕現しの構造柱と床仕上げで表現
メゾネットタイプ05号室の2階。燃えしろ設計で150mm角の構造柱と、同幅の帯状板材による床仕上げによって「グリッド感」を表現している(写真:浅田 美浩)
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