青森市北東部にある県の運動公園で9月、伊東豊雄氏が設計した陸上競技場がオープンした。GRCパネルで覆った翼のような大屋根は、海から吹く強風や雪からフィールドを守る。

9月にオープンした新青森県総合運動公園陸上競技場のフィールド。青色のトラックは、競技に集中しやすいといった理由でアスリートに好まれるという(写真:吉田誠)
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 遠くに青森湾を見下ろす斜面地で9月1日、新青森県総合運動公園陸上競技場がオープンした。海からの強い卓越風を空に向けて受け流すため、波形の白い大屋根が翼を広げるようにして片持ちでスタンドを覆う。

 大屋根を支えるのは、競技場西側にあるコンコースの列柱だ。コンコースは競技場というより神殿のような印象を受ける〔写真1〕。開業日には多くの市民が訪れ、GRC(ガラス繊維強化セメント)パネル製の複雑な形状の軒天に感嘆の声を上げていた。

〔写真1〕周辺から一段高い入り口
外観は大屋根を支える列柱が強い存在感を放つ。競技場の周囲は約7m盛り土しており、周辺の芝生から1階コンコースまで緑が連続している(写真:吉田誠)
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 設計は、伊東豊雄建築設計事務所(東京都渋谷区)が担当した。2012年に青森県教育委員会が公開コンペを実施。13年1月に同事務所を設計者に選定した。主競技場の他に、補助競技場や投てき・アーチェリー場、外構を整備した〔写真2〕。主競技場の総事業費は約160億円だ。

〔写真2〕青森湾からの風を受ける斜面地
敷地南東側の上空から撮影。西側の青森湾から強い卓越風が吹き上げる。写真左下にあるのが補助競技場(写真:吉田誠)
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 陸上競技場の延べ面積は約3万1500m2で、2万超の客席を擁する。外周には約7mの盛り土を施し、周辺の敷地から少し見上げた高さに地上1階のコンコースを設けた。地下1階には、器具庫や選手のウオーミングアップエリアなどを収めている。

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