日雇い労働者の街として知られる横浜・寿地区に新しい福祉施設が完成した。高齢化率が6割に迫る住民の健康意識を高め、これまで関係の薄かった地区外との交流も目指す。

横浜・寿地区の中心に位置する地上9階建ての建物。1~2階に入る「横浜市寿町健康福祉交流センター」と、3~9階の「横浜市営住宅寿町スカイハイツ」の複合建物。広場は各種イベントの会場となるほか、災害発生時に使うマンホールトイレも備える(写真:安川 千秋)
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 多くの日雇い労働者が暮らす横浜市中区の寿地区に6月1日、「横浜市寿町健康福祉交流センター」がオープンした。地域住民の健康づくりや生活支援などを目的に、横浜市が整備した。1974年完成の旧施設「寿町総合労働福祉会館」を建て替え、名称も変更した。

 地上9階建ての建物のうち、同センターが入るのは低層部の1~2階。1階は大空間のラウンジや図書コーナー、2階は診療所や健康コーディネート室、銭湯などで構成される。3階から上は、計80戸が入る横浜市営住宅だ〔写真1、2〕。

〔写真1〕旧施設の構成を継承
北側からの全景。低層部に福祉施設、上層部に80戸の市営住宅が入る地上9階建ての規模は、建て替え前の旧施設を継承している。寿地区の中心に当たる交差点に面して開放的な広場を設けた(写真:安川 千秋)
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〔写真2〕周辺環境を考慮した外観
南側の外観。2階の角部は公衆浴場。周辺に林立する中小規模の簡易宿泊所に合わせて、市営住宅が入る上層部の外観を、住戸タイプごとに分節化してデザインした(写真:安川 千秋)
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 設計を手掛けたのは小泉アトリエ(横浜市)。2014年に横浜市が実施した公募型プロポーザルで設計者に選定された。「寿地区特有の住環境を踏まえて、誰でも気軽に立ち寄れる“街の縁側”のような開かれた施設を提案した」。首都大学東京大学院教授で小泉アトリエを主宰する小泉雅生氏はそう説明する。広場に面して続く1~2階の深い軒下空間は、そうした考えを象徴する縁側のような場所だ〔写真3〕。

〔写真3〕広場に面した軒下空間で住民を呼び込む
横浜市寿町健康福祉交流センターが入る1階と2階には、広場に面して奥行き3.5mほどの軒下空間がある。寿地区全体の「庭」となる広場と一体の「縁側」と位置付け、住民を呼び込む。広場にあるスロープは、地域住民らと協議して8分の1の勾配とした(写真:安川 千秋)
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配置図
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