東京の都心に、真っ白な外装材が印象的な西向きの中規模オフィスビルが完成した。四角い穴が無数に開いたこのファサードは、熱負荷や採光、通風、視線を計算し尽くしたものだ。

中小規模のオフィスビルやマンションが立て込む街なかに立つ。小さな穴の開いたファサードは、オフィス内の照明が近隣を照らし出すのを抑えている(写真:井上 登)
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全面に小さな穴を開けた西向きのファサード。各種解析ソフトを駆使して、光や風などの環境性能を確保する開口部の在り方を検討し、意匠を決めた。外観に現れた穴は大小2種類。小さな穴は、メンテナンスデッキを挟んだ内側に執務空間がある箇所。大きめの穴がある箇所は、内側が吹き抜けやテラスになっている(写真:井上 登)
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 JR水道橋駅の南に広がる東京・神田三崎町は、幹線道路を一歩入ると中小ビルが立て込むエリアだ。そんな街なかに今年3月、「カンダホールディングス本社」が竣工した。鉄筋コンクリート(RC)造の地上8階建てで、延べ面積は2100m2あまり。周辺の建物と似たスケールの中規模オフィスビルだ。東日本大震災で一部が損傷した築50年ほどの旧本社ビルを建て替えた。

 西向きの外観は、四角い穴が無数に開いた真っ白な外装材に覆われている。アルミやGRC(ガラス繊維補強セメント)で組まれた外装材の厚さは約150mm。四角い穴の一辺は内側で約180mm。その大きさのまま水平に開いた穴と、外側に向けてすぼんだ穴の2種類がある。日射制御や熱負荷低減、採光、通風、視線の制御といった環境性能をトータルに検証して導き出したデザインだ。

 「省エネ性能やオフィスの快適性を追求しつつ、普段あまり意識しない都市の自然を五感で感じ取れる建物を目指した」。設計を手掛けた竹中工務店東京本店設計部設計第2部門の花岡郁哉設計4グループ長は、設計の意図をそう説明する。

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