都心から1時間程度という利便性の高い立地で、完全会員制のリゾート施設がオープンした。最上級のくつろぎを提供する館内では、どこにいても海や水を意識させる空間が広がる。

広々と張られた水盤の上空に、鉄骨(S)造による客室棟が円弧を描いて架け渡されている。客室は5階から7階までの3層。塔屋にあるS造のハットトラスで下層階を吊る仕組み。足元は、避難階段のあるコア部分とV字形柱の計4本で支える。スパンは24~27m(写真:車田 保)
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 愛知県蒲郡(がまごおり)市の海岸に3月28日、完全会員制の高級リゾート施設「ラグーナベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾート」が開業した。施設を印象付けるのは、中央部分が大きく門形に開いた外観だ。門形開口の大きさは幅138m、高さ13.5m。広々と張られた水盤の上空に、客室部分が円弧を描いて浮かんでいる〔写真1〕。

〔写真1〕建物中央に幅138mの門形開口
海から見た全景。客室が入る建物の総延長は400m。円弧状に膨らんだ中央部分が幅138m、高さ13.5mの門形に開き、水盤をまたいでいる。水盤の奥に立つ低層棟に、施設内のパブリック空間が入る(写真:車田 保)
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 施設に一歩、足を踏み入れた利用者が最初に目にするのも、大きな開口部が演出する風景だ。エントランスロビーに立つと、足元の水盤から海まで続く水の景色が、開口部の“額縁”を通して見える〔写真2〕。

〔写真2〕水面を一望するロビー
2階のエントランスを入ると、足元の水盤から向こうの三河湾まで水面がつながって見える。水盤上に架かる客室部分が額縁となって水の風景を引き立てる。ロビーの天井高は最高で7.5m。床材は大理石の一種のブラックファンタジー(写真:車田 保)
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 「三河湾の眺望を生かしつつ、建物の隅々まで水をテーマに設計し、高級感を醸し出す空間を追求した」。設計を手掛けた安井建築設計事務所常務執行役員の井上孝成名古屋事務所長はそう説明する〔写真3〕。

〔写真3〕海とつながって見える屋外プール
建物の西側にある1階の屋外プールも、水盤や海とつながって見えるように演出。左手の建物内にはトレーニングジムが入る(写真:車田 保)
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配置図
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開発の進むリゾート地区の一角
北側からの遠景。臨海部の約120ヘクタールを埋め立てた「ラグーナ蒲郡地区」に立つ。同地区は、愛知県や蒲郡市、トヨタ自動車などが中心となり、1991年に本格的に開発が始まった。以来、平成の時代を通して、ヨットハーバーやテーマパーク、リゾートマンションなどが完成した(写真:車田 保)
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大波を模したゲートはPC構造
「グレートウェーブ」と呼ばれるゲートは、現場打ちのプレストレストコンクリート製。写真右手の端部は滑り支承で受けている(写真:車田 保)
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外部から切り離された別世界

 蒲郡市の臨海部では、海に親しむことをテーマとする「ラグーナ蒲郡地区」の開発が進む。ラグーナベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾートは、同地区のほぼ中央、三河湾に突き出した敷地に立つ。海岸線をなぞって曲線状に配置された建物の長さは400m。同地区で定められた30mの高さ制限いっぱいの地上7階建て。建物内には、193室の客室のほか、レストランやスパ、トレーニングジム、ボールルームなどが入る。

 「外部から切り離されたプライベートな別世界で、今まで目にしたことのないような、一歩先を行くラグジュアリーなリゾート空間を目指した」。開発から運営までを手掛けるリゾートトラスト(名古屋市)開発部門インテリア部長の堀尾明氏は、開発の狙いをそう説明する。

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