「コメダ珈琲店」そっくりの模倣店舗に、裁判所が営業使用を禁じる仮処分命令を下した。特徴的な建物外観のデザインは不正競争防止法における「商品等表示」に当たると判断したためだ。申し立てを受けた相手方は「一般的な建築方法を使っただけだ」と反論したが、裁判所は「組み合わせに独創性がある」と否定した
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2019年5月、国会で改正意匠法が成立した。建築デザインについてもビジネスにおけるブランドイメージの一環として保護するものだ。改正のきっかけとなった紛争から、建築設計への影響を考察する。(日経アーキテクチュア)

 今回取り上げるのは、商業店舗のデザイン模倣を巡るトラブルだ。

 原告となったのは喫茶店チェーン「珈琲所 コメダ珈琲店」(以下、コメダ珈琲店)を直営およびフランチャイズ(FC)方式で全国展開するコメダ(名古屋市)。2014年、コメダと契約関係にない第三者の法人が、コメダ珈琲店そっくりな喫茶店をオープンさせ、騒動になった。当時、インターネット上で話題となったので、記憶にある読者も多いのではないか。

 模倣が疑われた店舗を開業したのは、和歌山県を中心にゲームセンターなどを展開するミノスケ(和歌山市)。問題となったのは同社が14年8月に和歌山市でオープンした「マサキ珈琲」だ。その外観デザインは、コメダ珈琲店がロードサイドに開く郊外型店舗にそっくりだった〔写真1〕。

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〔写真1〕構成やデザインがそっくり
東京地方裁判所の仮処分決定を受け、2016年12月27日付で持ち株会社のコメダホールディングスが適時開示した資料の一部。左がコメダ珈琲店で、右がマサキ珈琲の1号店だ。屋根の配置や看板の位置、赤いテント生地を使ったひさしなど、多数の類似点があった(写真:コメダホールディングス)

 コメダへは顧客からの問い合わせが多数寄せられた。コメダはミノスケに対して建物の外装、内装などの使用を直ちに中止するよう通知。だがミノスケ側は無視して営業を続けた。

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