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 大林組が人工筋肉を活用したインナーウエアタイプのアシストスーツの開発に乗り出した。

 同社は、米国のアパレル系ベンチャー企業であるSeismic Holdings(サイズミック・ホールディングス、以下、サイズミック社)に出資し、共同開発に着手。国内で高齢化が進む技能労働者の負担軽減を目指す。出資額は明らかにしていない。

 共同開発では、サイズミック社が2018年12月に米国の一般消費者向けに発売したアシストスーツ「パワード・クロージング」をベースに改良する〔写真1〕。

〔写真1〕衣服と一体化した人工筋肉
大林組が出資する米国アパレル系ベンチャーのサイズミック・ホールディングスが2018年12月に米国で発売した「パワード・クロージング」(写真:大林組)
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衣服と一体化した人工筋肉をセンサーと小型モーターで伸縮させ、腰部(上)や脚部(下)などの動きをサポートする(写真:大林組)
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衣服のような軽さ

 パワード・クロージングは、人工筋肉を衣服に一体化した製品で、センサーと小型モーターによって人工筋肉を伸縮させ、人の動きをサポートする。人工筋肉が着用者の筋肉や骨格、関節などの動きに連動して動く。衣服のように軽量で、人工筋肉の配置場所などを自由にデザインできる点が特徴だ。

 既に現場で使用されている一般的なアシストスーツで多いのは、モーターなどをリュックサックのように背負い、腰にベルトで留めて装着するタイプだ。安全帯などを付ける際にベルトが邪魔になったり、充電用のケーブルが作業の妨げになったりするという声もあった。

 パワード・クロージングのように衣服と一体化したタイプであれば、建設を含めた産業向けとして、より汎用性が高くなる。

 サイズミック社は、米国スタンフォード大学から独立した研究機関、SRI International(エス・アール・アイ・インターナショナル)から派生したスタートアップ企業だ。一方、大林組は、18年7月にオープンイノベーションによる技術開発を推進する目的で、米国のシリコンバレーを拠点とするプロジェクトチームを立ち上げていた。

 大林組とサイズミック社は今後、人工筋肉によるサポート箇所を増やすなど改良を加え、建設現場で適用する工種などを詰める。早期にプロトタイプを完成させて現場導入を図っていく考えだ。

出典:日経アーキテクチュア、2019年1月10日号 p.15 ニュース 技術
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。