大林組は、ロックウールを鉄骨(S)造の梁や柱に自動で施工する「耐火被覆吹き付けロボット」を開発した。事前に作業データを登録しておけば、建設現場内を自律走行して自ら作業をこなす〔写真1〕。

〔写真1〕産業用ロボットアームを活用
大林組が開発した耐火被覆吹き付けロボット。H形の鉄骨梁でも、下フランジ、ウエブ、上フランジの全ての部位に吹き付けられる(写真:日経アーキテクチュア)
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 積載荷重2.5t以上の工事用エレベーターであれば載せられるので、高層建築物の現場に対応可能。人手で吹き付けるのと比べて、作業効率を3割以上も高められる。同社は2020年度の実用化を目指す。

 ロボットは走行装置、昇降装置、横行装置、産業用ロボットアームから成る。階高5m、梁せい1.5mまでの梁に耐火被覆を吹き付けられる。柱についても、床面から1.5m以上の領域であれば施工が可能だ。

1回の施工範囲が約2倍に

 横行装置によって梁の材軸方向にロボットアームをスライドさせることで、幅3.8mの範囲を、ロボットの位置を変えずに吹き付けられる。技能者が手作業で吹き付ける場合、腕を伸ばして届く2m程度が限界だった。

 一度に吹き付けられる範囲が広いので、柱の間隔が7.2mの一般的なS造の現場であれば、わずか4回の移動で吹き付けを完了できる。従来は、高所作業車を6~8回移動させなければならなかった。安全確保のため、昇降機を移動の度に降ろす必要があり、時間がかかっていた。

 作業の指示は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルを用いて専用シミュレーター上で作成した「吹き付け作業データ」と、平面図上の座標を基に作成した「走行ルート」を組み合わせて登録するだけ。ロボットは登録したデータを基に自ら作業場所に移動したり、エレベーターに乗り込んだりする。ロボットの外周にはバンパーセンサーとレーザー測域センサーを設けて人や障害物を検知。接触事故を防ぐ。

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