「建築士法改正による受験機会の早期化によって、学部卒業の翌年から受験可能となるため、大学院を含む大学教育に直接的な影響を懸念する意見が多く見られている」

 日本建築学会は、改正建築士法施行に向けた意見をまとめ、2019年5月13日に公表した。建築士試験の見直しを検討するうえでの課題や論点を提示。現行の製図試験の内容や水準を見直し、計画・設計と製図の能力を問う形に分離する、といった具体案も示した。

 18年12月に成立した改正建築士法では、建築士試験の受験要件である実務経験が免許登録要件になる。受験機会を広げ、建築士人材の継続的かつ安定的な確保が狙いだ。背景には受験者数の減少や建築士の高齢化問題がある。国土交通省が設置した「建築士資格に係る実務経験のあり方に関する検討会」では、製図試験のCAD化などを中期的な課題とする方針を示していた。

 これに対し、日本建築学会は意見書の中で、現行の製図試験をそのまま2次元CADへ移行するのは適切でないと指摘。一方で、CADによる作図、さらにBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)が求められつつある実社会の現状と、手描きによる現行の製図試験との間には乖離(かいり)が見られる、として改善が必要である点には同意を示した。

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