日本有数の名城として知られる熊本城。2016年の熊本地震で大天守をはじめ多くの建物が損傷した。熊本市は大天守を優先的に復旧。復旧工事の足場や見学者が使う通路の安全対策を工夫して、一般公開にこぎ着けた。

 熊本市は10月5日から、熊本城の大天守の外観を一般公開した〔写真1〕。2016年4月の熊本地震から3年半。遠巻きにしか見ることができなかった大天守を間近で見学できるようにした。

〔写真1〕外壁を復旧した大天守
10月5日から大天守の一般公開が始まった。左は地震直後の大天守の様子。熊本市は2018年3月に熊本城復旧基本計画を作成して、大天守の復旧を優先的に進めていた。市は19年度内に53万人の来場を見込む(写真:日経アーキテクチュア、左は熊本市)
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 熊本市は熊本城の大天守を復興のシンボルと位置付けて、復旧を最優先で進めてきた。設計・施工を担うのは大林組。19年10月時点で発注が済んだ工事の費用は約80億円だ。

 熊本城では地震によって石垣が崩れ、多くの建物が倒壊。大天守も石垣や屋根が被害を受けたが、倒壊は免れた。城内の他の建物は石垣で上部構造を支えていたのに対して、大天守は石垣ではなく全長47.5mの杭で上部構造を支えていたためだ。

 通常、倒壊した建物は石垣を修復してから再建する必要があるが、大天守の杭には損傷がなかったので上部構造と石垣を同時に補修できた。

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