6月18日午後10時22分ごろ、山形県沖を震源とする地震が発生し、最大震度6強の揺れが日本海沿岸部を襲った〔図1〕。震源に近い住宅地では屋根瓦の落下が多発したが、建物被害は限定的だった。専門家は「震度と被害のズレ」を指摘する。

〔図1〕マグニチュード6.7を観測
6月18日午後10時22分ごろに山形県沖で発生した地震の推計震度分布図。気象庁によると地震の規模を示すマグニチュード(M)は暫定値で6.7。震源は山形県酒田市南西50km付近の山形県沖で、震源の深さは14km。新潟県村上市で震度6強、山形県鶴岡市で震度6弱を観測した。両県では津波注意報が発令され、6月18日午後10時34分ごろ、山形県鶴岡市鼠ケ関で最大11cmの津波が到達した(資料:気象庁)
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 「すごい地鳴りがしたと思ったら、下から突き上げるような衝撃を感じた。縦に揺れた後、横に大きく揺れた。棚の扉が開いて食器が割れ、地震発生の翌日は雨漏りもひどかった。家の中はぐちゃぐちゃだ」。山形県鶴岡市の南西部、日本海に面した小岩川地区で、散乱した瓦を片付けていた70代の女性はこう嘆く。

 震度6弱を観測した同地区では、住宅の屋根瓦の落下が多発した。記者が現地入りした6月20日には、破損した屋根上の瓦を撤去し、ブルーシートを張り付ける応急処置が各所で進められていた。瓦がずれて屋根の下地が露わになった住宅や、棟部分からすっぽりとシートで覆われている住宅が目立った。道路や庭先には瓦が散乱していた〔写真1~3〕。

〔写真1〕屋根瓦の落下被害が多発
震度6弱を観測した山形県鶴岡市の沿岸部、小岩川地区では屋根瓦の落下が目立った。いずれの住宅も、棟瓦がずれて瓦が滑り落ちていた。既にブルーシート張りを済ませた住宅は、棟部分をシートですっぽりと覆って応急処置を施している住宅が多かった(写真:日経アーキテクチュア)
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〔写真2〕応急作業に追われる震災発生の翌々日
小岩川地区の南側から北側を見る。地震発生翌日の6月19日は雨にも見舞われた同地区では、複数の住宅で屋根瓦を撤去し、ブルーシートを張るなど、応急作業が急ピッチで進んでいた。6月20日撮影(写真:日経アーキテクチュア)
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〔写真3〕応急危険度判定で赤紙多数
鶴岡市は6月19日から20日までに小岩川地区の応急危険度判定を実施。対象は215件で、26件を「危険」、31件を「要注意」と判定した(写真:日経アーキテクチュア)
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(写真:日経アーキテクチュア)
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赤紙では、瓦の落下を注意喚起する内容が目立った(写真:日経アーキテクチュア)(写真:日経アーキテクチュア)

 市によると、同地区の住宅は築30~40年程度が多い。塩害対策のため、鋼板屋根ではなく、瓦屋根が主流だ。地域の家づくりに詳しい越後村上古建築研究会の小池昭雄代表は、「瓦の落下が激しかった住宅を見ると、棟瓦部分が共通して落下しているようだ。古い住宅は棟瓦を固定する鉄製のくぎが老朽化して、地震の揺れに耐えられなかった可能性がある」と話す。

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