「がっかり間取り」を防ぐには、建て主との“ずれ”のない意思疎通が欠かせない。イメージ共有のために3次元画像やVR(仮想現実)を活用する際にも、少しの工夫が大きな効果を生む。

 コンピューターがつくった空間をヘッド・マウント・ディスプレーで体感できるVRは、まだ存在しない住宅を建て主がイメージできるようにする強力なツールだ。

 松島組(徳島県吉野川市)が建て主との打ち合わせにVRを取り入れるようになったのは2年前。それまでは、福井コンピュータのCADソフト「ARCHITREND ZERO」を使い、平面図のデータから作成した3次元CGなどで建て主に空間のイメージを伝えていた。

 「CADと連動できるVRソフト『ARCHITREND VR』を採用するタイミングで、従来の打ち合わせのやり方を見直した」(松島組の松島清照社長)。VRの効果を最大限、発揮するために考えたのが、1組の建て主に対して複数のスタッフがチームを組んで打ち合わせに臨むやり方だ〔写真1〕。

〔写真1〕チームでプランを説明する
3次元CGでプラン説明する際には複数のスタッフで臨む(写真:渡辺 圭彦)
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幼児用の椅子も用意。家族全員の反応を引き出す(写真:渡辺 圭彦)
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建て主の反応を見逃さない

 従来は営業担当者が1人で建て主に対応していたので、プラン提案時にCG画像を立ち上げたり、画像に変更を加えたりする際、パソコンを操作する時間がタイムラグとなり、打ち合わせに微妙な間が生まれていた。そこで、画像を操作する役割のスタッフを、別に用意した。

 子連れの建て主への対応も強化した。保育担当のスタッフが付き、子どもの面倒を引き受ける。建て主の気が散ると、プランの確認がおろそかになりがちだからだ。

 「3次元CGは感覚に訴えるものなので、歩くような視野で画像を動かすウオークスルー機能を使うときや、仕上げの色や間取りの配置などを変化させたりするときには、特に画面に集中してもらうことが大事」。営業担当の土井翔平氏はそう話す。

 顧客対応の役割を分担するようになってからは、設計変更の回数が減り、最終プランにまとまるまでのプロセスもスムーズになったという。「打ち合わせ時に、画像を見せた建て主の反応を見逃さなくなったので、プランに対する互いのイメージのずれが生じにくい」(土井氏)

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