住宅会社など様々なプレーヤーが開発した、エアコンを用いる高断熱住宅向けの全館空調システムを日経ホームビルダーが16種類ピックアップ。価格帯別に見た送風の工夫やトラブル防止策などを解説する。

 日経ホームビルダーが取材した16システムの材工価格帯は、100万円未満、100万円台、200万円台に分かれる〔図1〕。ボリュームゾーンが100万円台だ。

〔図1〕100万円台に様々なシステムがひしめく
日経ホームビルダーが取材した16システムを価格帯別に分類した。エアコンの台数は1台と2台に分かれる。マーベックスは現在、標準的なシステムを持たず、要望に応じて様々なタイプを提案しているため、事例の紹介は割愛した(資料:日経ホームビルダー)
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 100万円台のシステムが採用しているエアコンの種類は、壁掛けタイプとダクトタイプが半々。エアコンの取り付け場所は、小屋裏、床下まわり、空調室、天井に分かれ、その違いによって冷気・暖気の搬送方法に独自の工夫が見られる。

 100万円台で小屋裏に置くシステムの1つが、ダクトエアコンを使うOMソーラー(浜松市)の「パッシブエアコン」〔図2〕。小屋裏設置の主なメリットは冷房時にある。OMソーラーフロンティア事業部の石田一童氏は、「自然に下降する冷気と入れ替わるように、室内の温かい空気が上昇して小屋裏のエアコンに戻るので、費用の掛かるリターンダクトを設置せずに済む」と説明する。

〔図2〕「パッシブエアコン」の仕組み
(資料:OMソーラー)
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(写真:OMソーラー)
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長府製作所のダクトエアコンを小屋裏に設置する。ダクトを3本に絞り、そのうちの1本で冬は小屋裏から床下に暖気を送る。夏は残る2本のダクトで居室に冷気を送る

 福地建装(北海道北斗市)の「ファースの家」は、小屋裏に設置した壁掛けエアコンの冷気を小屋裏に吹き出すことで、天井面からの冷輻射効果を狙う〔図3〕。16システムの中で取り組み開始が最も早く、狭い小屋裏でエアコンを運転した場合のショートサーキットを防ぐ方法など、様々な工夫を積み重ねてきた。

〔図3〕「ファースの家」に盛り込まれた工夫
(資料:福地建装)
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(写真:福地建装)
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壁掛けエアコンを小屋裏に設置し、夏は天井裏を冷やし、2階は天井面の冷輻射で冷房する。換気した新鮮空気のみファンとダクトで床下に送る。冬はファンとつないだ2本のダクトで暖気を床下に送る。床下の暖気は外壁内側の通気層を通り、各部屋に循環させる

 小屋裏にエアコンを置く場合、冬にエアコンのファンだけで1階を暖めるのは難しい。そのため上記の2つのシステムは、1階の床下に暖気を送るためのダクトを設置している点も特徴として挙げられる。

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