新潟市の工務店、オーガニックスタジオ新潟は、これまで床下をチャンバーとして活用する「床下エアコン」に取り組んできたが、昨年その応用である「階間エアコン」を長岡市の住宅I邸で採用した〔写真1、図1〕。
2階の床下に半分埋め込むように設置した壁掛けエアコンの冷気・暖気を階間に吹き込んで1・2階の冷暖房を同時に行う仕組みだ。室蘭工業大学名誉教授で、新木造住宅技術研究協議会の代表理事を務める鎌田紀彦氏が発案した。
暖房の仕組みは以下の通り〔図2、3〕。まず階間にエアコンの暖気を吹き込む。暖気は2階床に設けたガラリを通じて自然対流で2階の室内を循環する。1階天井には「ブースターファン」と呼ばれる直流で省電力の小型ファンと、ガラリを設置〔写真2〕。そのファンで階間の暖気を押し出して1階を暖める。冷房時はその反対だ。1階には天井に設けたガラリから自然に冷気が降下し、2階にはブースターファンで冷気を引き上げる。
今回測定したI邸は定格冷房能力2.8kW(8畳用)のエアコンを採用し、1階に3個、2階に2個のブースターファンをそれぞれ設置している。
階間エアコンのポイントはエアコン周囲の気密化だ。これにより階間の空間が圧力チャンバーとなり、エアコンのファンで冷気・暖気を押し込むと、2階床と1階天井面のガラリから確実に吹き出てくる。
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