ある住宅瑕疵保険法人が、保険金を支払った雨漏り事故を調べたところ、最も多い雨水浸入場所は「陸屋根およびバルコニー」と分かった。なかでも特に多いのが「笠木回り」だという。

 手すり壁やパラペットは、最も雨水が浸入しやすい部位だ。

 それを裏付ける最新のデータがある。住宅瑕疵保険法人の日本住宅保証検査機構(JIO)が、この7月にまとめた調査結果だ。2017年4月から18年12月までの間で、同社が保険金を支払った雨漏り事故を対象に、発生割合が高い順に雨水浸入箇所を並べたものだ〔図1〕。

〔図1〕雨水浸入箇所は「陸屋根およびバルコニー」が最多
住宅瑕疵保険法人の日本住宅保証検査機構(JIO)が、2017年4月から18年12月までの間に保険金を支払った雨漏り事故の雨水浸入箇所を調べたところ、「陸屋根およびバルコニー」が最も多く36.9%を占めた。その内訳を見ると「笠木回り」が56.5%で最も高い。笠木回りが、雨仕舞い上の弱点であることが分かる(資料:日本住宅保証検査機構の資料を基に日経ホームビルダーが作成)
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 それによると「陸屋根およびバルコニー」からの雨水浸入は全体の36.9%を占め、最も多いと分かった。従来は「外壁開口部」が最多だったが、今回初めて順位が入れ替わった。さらに、「陸屋根およびバルコニー」の内訳を見ると「笠木回り」が56.5%で飛び抜けている。

 調査をまとめたJIOの西山祐幸専務はこう警鐘を鳴らす。「張り出し形式のバルコニーでは直下に居室がないので、雨水が浸入しても浸水が発見されないことがある。そうした潜在的トラブルも含めると、手すり壁やパラペットの浸水事故はもっと多いのではないか」

天端は雨水がたまりやすい

 笠木回りのトラブルが特に多いのはなぜか。それは、笠木回りから浸入した雨水の排出が難しいうえに、内部の通気を十分に考慮していないケースが多いからだ。

 笠木の役割は、水を切って内部への雨水浸入を防ぐこと。しかし、完全に防水することは難しく、防風雨の際には笠木の継ぎ目や両脇から雨水が浸入することがある。

 潜り込んだ雨水は、容易に排出できない。笠木の下地木材の天端が水平で、雨水がたまりやすいからだ。さらに、通気ルートを確保せず内部を密閉している場合には、たまった雨水の湿気が充満する。

 こうした状態が長期にわたって続くと、内部の下地木材が腐朽する。なかには、手すり壁の強度が低下し、落下の危険性を伴うものさえある。

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