住まい手の生体データを健康管理に活かす「健康寿命延伸住宅」の開発に取り組む地域工務店がある。「芙蓉ホーム」のブランド名で、60歳前後の比較的高齢の顧客層に高気密・高断熱住宅を提供する芙蓉ディベロップメント(福岡市)だ。関連会社として介護施設や病院を有する同社は、そこで得た知見を、IoT(インターネット・オブ・シングズ)を使って住宅に組み込む。

 「健康寿命延伸住宅」は、高気密・高断熱の住宅性能に、住まい手の生体データによる健康管理のシステムを組み込んだ住宅だ。高気密・高断熱性能による冬暖かく夏涼しい快適な住環境に加え、住まい手の日々の生体データを計測して体調不良を早期に発見する。離れて暮らす家族に健康状態の変化を知らせることで、「見守り」にも役立てる。

 高気密・高断熱住宅なので、エアコンを稼働していれば温度変化を抑えることができる。だが、エアコンを止めた場合など、室温が上昇するケースがある。このような状態を検知すると、自動でエアコンが作動して適正な温度に調整する。高齢になると室温の変化に鈍感になりがちなため、エアコンで熱中症の予防に役立てようという狙いだ。

 計測する生体データは体温、血圧、脈拍だ。体温と血圧は住まい手自身が、朝、決まった時間に計測する。それぞれBluetooth機能を搭載した機器を用いて、計測結果をクラウド上で自動的に管理する。脈拍は、ウェアラブル端末で常時、計測してデータをクラウド上で管理している。

 計測した生体データから健康状態を判断する点に特徴がある。体温や血圧は個人によって平常値が異なるという。このため、日々の計測データを長期にわたって管理することで、わずかな異変から病気の早期発見が可能になり、重症化を防止できるという。これは、介護付き有料老人ホームや病院で得られた知見だ。

芙蓉ディベロップメントのモデルハウス。関連会社の筑紫南ヶ丘病院や介護付き老人ホームのメディカルケア南ヶ丘が立つ一角にある。「健康寿命延伸住宅」の看板が掛かる(写真:日経 xTECH)
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モデルハウス1階のリビング・ダイニング。大空間を1台のエアコンで制御している。キッチンに環境センサーを設置している(写真:日経 xTECH)
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キッチンに設置した環境センサー。室温を計測して、エアコンの運転を制御する(写真:日経 xTECH)
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