(イラスト:高松 啓二)
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 敷地のセットバックは、住宅会社や不動産会社にとって最も取り扱いが難しい問題の1つだ。セットバックする敷地の所有者だけでなく、場合によっては隣地の所有者を巻き込むこともある。

 そんな時は、物事を急がずに隣の所有者の理解をしっかりと得ながら、セットバックを進めなくてはならない。その大切さを、筆者は最近ある工務店の社長から教えられた。

 道路の扱いで問題となるセットバックとは、幅員4m未満の道路に接している敷地を、道路の中心線から2メートルの位置まで後退させることだ。

 数カ月前、筆者はセットバックが必要な古家付きの土地の購入を、買い主の仲介者として担当した。土地の前面道路の幅員は2.8m。4.0mには1.2m足りないので、道路の中心線から敷地を60cmほどセットバックしなければならない〔図1〕。

〔図1〕共有ブロック塀がセットバックの障害に
(資料:畑中 学)
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 ここで問題となったのが、隣地との共有ブロック塀だった。幅15cmのブロック塀だが、隣地との境界線はブロック塀の中心線上にある。つまり、双方の所有者が互いに中心から7.5cmずつ所有している形になっていた。

 このような場合、どう対処すればよいだろうか。所有権だけを考えるなら、買い主の持ち分に相当するブロック塀だけ壊し、残り半分の隣地のブロック塀を残す方法が最も分かりやすい。しかし安全性を考えると、ブロック塀倒壊の危険が増すので、建築確認申請の許可が下りない可能性がある。

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