(イラスト:高松 啓二)
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 先日、筆者は東京都内で土地の売却を仲介した。住宅の新築を前提にした土地取引だ。買い主が連れてきた工務店のベテラン現場監督から、筆者はこんな要望を受けた。

 「この土地の前面道路の所有者は個人なので、その方から『道路を掘削しても構わない』という承諾書をもらって来てください。水道工事会社からも言われていますので、よろしくお願いします」 

 その要望に筆者はこう答えた。「いや、その必要はありませんよ。確かに個人がこの土地の前面道路を所有していますが、管理権限を区に移管しています。そのような場合は公道扱いになるので、区役所の道路課で許可を受けるだけで大丈夫です。改めて所有者に承諾を求める必要はありません」

 現場監督は語気を強めた。「困りますよ。これは、当社のルールで決められていることです。面倒がらずにどうか所有者の許可をもらってくださいよ」

 筆者は所有者の許諾を得ることを面倒と思ったわけではない。しかし、現場監督はそう思い込んでいるようで、こちらの話を真剣に聞こうとしない。根気よく説明してようやく話の内容を理解してくれたものの、どうしても納得できない様子だ。

 「その話は本当ですか。これまで、そんな話を聞いたことはありません。とにかく所有者から承諾書をもらってくださいよ」

 これではらちが明かないので、筆者は現場監督を区役所に連れていき、一緒に説明を受けることにした。区役所の担当者の説明は明快だった。

 「所有者の方がいても区道扱いになっていますので、区で掘削承諾を出します。所有者の承諾は必要ありません。そちらで道路工事施工承認申請書を提出すれば、こちらで内容を審査して承諾書を出します」。工務店の現場監督は、この説明を聞いてようやく安心したようだった。

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