(イラスト:高松 啓二)
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 この住宅、ずいぶん外壁が汚れているわ。やっぱり新築の方がいいかしら」「安全性はどうだろう。地震が来ても大丈夫かな」

 これは、中古の戸建て住宅を見た後に買い手がよく口にするセリフだ。たとえ口にしなくても、表情に不安や落胆が浮かんでいることが多い。鉄骨造より木造に、あるいは築年数が浅いものより古いものに、強く不安を感じるようだ。

 「リフォームすれば新築と同様になります」「耐震診断をして補強工事をすれば大丈夫ですよ」

 筆者がこのように説明してフォローしても、顧客の耳にはあまり届かない。イメージしにくいリフォーム後の姿を想像するより、実際に目にした姿が焼き付いてしまうのだ。

 中古戸建ての販売には、まだまだこのようなハードルがある。そのせいか、東京都内における2018年度の中古住宅売買の成約件数は、マンションが1万9000戸を上回る一方、戸建ては4000戸弱とかなり少ない(東日本不動産流通機構調べ)。

 なぜ、このような数字の開きがでるのか。原因は買い主から見た「分かりにくさ」にある。冒頭の外壁の汚れや躯体の安全性だけではない。「雨漏りなど見えないところに問題が隠れていないか」「リフォームにいくらかかるのか。本当にきれいになるのか」といった無数の「分からない」が存在する。

 買い主には「買った後に大きなトラブルが見つかって、損をするかもしれない」といった不安が常につきまとう。そんな状態では、たとえ新築より割安でも、買い主は安心して購入できない。

 一方で、中古マンションは鉄筋コンクリート構造であることが多く、安全性に対する不安が小さい。それにマンションの間取りは、ある程度パターン化されているので、リフォームのイメージが湧きやすい。その点、一品生産の戸建てでは、間取りが千差万別なので、買い主がリフォームを想像しにくい面がある。

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