室内での雨漏り発生は、1次防水面と2次防水面の両方が突破されたことを意味する。従って、雨漏りトラブルを解決するには、外壁を剥がして2次防水面を含めた抜本的な修理が必要と筆者は説く。(日経ホームビルダー)

 ここ数年、雨漏り対策セミナーの講師を依頼される機会が増えた。受講者の大半は住宅会社の経営者や技術者だ。

 セミナーが終わると受講者から切実な悩みや質問が寄せられる。なかでも特に多いのが「雨漏りを解決するには、外壁を剥がす大掛かりな補修工事が必要か」とか「雨漏りのルートをどうやって特定すればよいか」といった質問だ。

 質問から浮き彫りになるのは、多くの技術者が手探りで雨漏りに対処している実態だ。雨漏りの発生原因を特定できないまま、外壁塗装やシーリング材の打ち替えなど、場当たり的な対応で補修を済ませようと考える人が多いようだ。

 しかし、場当たり的な対策だけでは、一時的な改善は見られても、雨漏りの原因を根治できない。大切なのは、雨漏りの原因を正しく把握したうえで、再発しないように根本的な対策を施すことだ。

 そこで、今回は筆者がどのような方針で雨漏りのトラブルに対処しているのか、その方針とプロセスを説明する。筆者の個人的な見解に基づく話も多いので、あくまで1つの参考情報として読んでほしい。

大掛かりな補修が必要

 まずは、冒頭の「雨漏りを解決するには、外壁を剥がす大掛かりな補修工事が必要か」という質問から答えていこう。

 結論から言うと、大掛かりな補修工事が必要な場合がほとんどだ。これは、雨仕舞いの仕組みから考えれば理解しやすい。一般に戸建て住宅の防水は、外壁や屋根などの1次防水面と、透湿防水シートやアスファルトルーフィングなどの2次防水面とで構成されている。

 室内で雨漏りが発生したとなると、それは何らかの理由で1次防水面と2次防水面の両方が突破されたことを意味する〔図1〕。

〔図1〕雨漏りの発生は2次防水面の決壊を意味する
外壁に窯業系サイディングを使った一般的な納まり。室内で雨漏りが発生した場合、何らかの理由で雨水が1次防水面の外壁と、2次防水面の透湿防水シートを突破したことを意味する。外壁を剥がして両面を補修する必要がある(資料:取材を基に日経ホームビルダーが作成)
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 従って、外壁塗装やシーリングの打ち替えなどで1次防水面だけを補修しても根本的な解決には至らない。2次防水面は元のままなので、塗装やシーリング材が劣化すれば、雨漏りが再発してしまう。

 一見遠回りに思えても、1次防水面と2次防水面の両方を補修するしかない。透湿防水シートやアルファルトルーフィングなどの2次防水面は、外壁や屋根葺き材の裏面に隠れている。これを補修するには、外壁や屋根を剥がさなくてはならない。そのため、補修工事は足場の設置などを含めた大掛かりなものになる。

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