「こんなひどい納まりは見たことがない」。筆者が呆れたのはセオリーを無視した開口部の納まりだった。補修予算が限られるなか、どこを残してどこを替えるか。難しい判断を迫られた。(日経ホームビルダー)

 雨漏りの修理に、絶対的な正解はない。住宅の構造、築年数、雨漏りの部位や程度によって修理の方法は異なる。建て主の考え方もまちまちだ。「最小限の予算でとりあえず雨漏りを止めてほしい」と依頼する人もいれば、「お金はかかっても構わないから雨漏りを完治させてほしい」と要望する人もいる。

 前号で紹介した住宅は「これほどひどい納まりを見たことがない」と筆者が呆れたほど、常識から逸脱した納め方をしていた〔写真12〕。新築工事を手掛けた住宅会社が、サッシのフィン(つば)のコーナー部分や下端部を勝手に切り落としていたのだ。しかも本来ならサッシのフィンは、柱やまぐさに取り付けるべきなのに、胴縁に取り付けていた。

〔写真1〕常識から大きく逸脱した納まり
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筆者が2019年1月から5月にかけて雨漏りの診断と補修を実施した住宅。愛知県内に立つ築11年の戸建て住宅で、1階は鉄筋コンクリート造(RC造)、2階と3階が木造の混構造だった(1枚目)。しかし、外壁を剥がすとサッシのフィンの角部(2枚目)や下端部(3枚目)を切断しているのが見つかった。またサッシのフィンを胴縁に打ち付けていた。常識から大きく逸脱した納まりだった(写真:第一浜名建装)
〔写真2〕透湿防水シートに染み
外壁を剥がした直後の様子。補修工事に着手する前の段階だ。開口部周りだけでなく、透湿防水シート全体に染みが広がっていた。配管を通すために、シートが破られていたところもあった(写真:第一浜名建装)
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 問題山積の住宅だったが、このようなケースでは、防水工事のセオリーを堅持しつつ、臨機応変に対処しなくてはならない部分が出てくる。その見極めが重要だ。今回は、どう修理を進めたかに力点をおいて解説する。

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