就業履歴と技能者情報を現場ごとに蓄積する「建設キャリアアップシステム」(CCUS)の活用が、木造住宅の現場で見られるようになってきた。CCUSに組み込まれている各種職人や工務店の評価制度も準備が進む。全ての技能者と事業者の5年以内の登録を掲げる大事業だ。

 仕組み 
技能者の就業履歴を現場ごとに蓄積

 下の写真は、木造共同住宅の現場に到着した大安建設(東京都足立区)の大工が、現場に置かれたカードリーダーにICカードをタッチして、出退勤を記録している様子だ〔写真1〕。記録先は2019年4月から本格運用が始まった建設キャリアアップシステム(CCUS)だ。

〔写真1〕現場の出退勤を記録
大安建設の大工が、現場でカードリーダーにICカードをタッチして出退勤を記録している様子(写真:大安建設)
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同社の菅原良和代表がCCUSに登録して取得したICカード(写真:日経ホームビルダー)
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 CCUSとは、技能者の就業履歴や保有資格、社会保険の加入状況などの情報を現場単位で蓄積し、様々な形で活用できる国のシステムだ。国土交通省と主要建設業団体が連携して構築し、建設業振興基金がシステムを運営している。建設現場の担い手を確保・育成するのに欠かせない技能者の処遇改善と、現場管理の効率化につなげる取り組みだ。

 技能者がいつ、どの現場でどのようなキャリアを積んだかを見える化するとともに、事業者は作業員名簿や施工体制台帳などの書類作成を合理化できる。

 また、建設業退職金共済制度に加入している一人親方は、退職金を受け取る手続きが簡易になるといったメリットも期待されている。

 登録対象は建設現場の全職種の技能者と事業者。元請け・下請け会社、一人親方、社員大工など、立場を問わない。技能者と事業者それぞれに登録してもらい、それらの情報を現場ごとに蓄積する。

 冒頭の大安建設の社員大工と下請け会社の職人たちは、CCUSの現場をこれまでに2カ所経験した。最初はCCUSの試験運用対象に選ばれた大安建設が元請けしたリフォーム現場。2カ所目は同社が一次下請けで加わった冒頭の現場で、元請けにCCUSへの現場登録を要望した工事だ。

 同社の菅原良和代表は、「CCUSに登録済みの職人たちは、これまで記録化されなかった就業履歴が残せることに意義を感じている。自らCCUS対象現場の仕事を希望する人もいる」と話す。

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